新入社員育成のコツとは?新人育成に欠かせない心構えと、具体的な育成方法|コラム|人材育成・社員研修

新人育成は、「新入社員の社会人としての成否を決める」といっても過言ではないほど、重要な育成施策です。しかしながら、新人育成の施策をどのように設計すべきかわからず、毎年まったく同じカリキュラム内容で新入社員研修を実施している。とりあえず現場の指導者任せにしてしまっている。このような企業もいらっしゃるのではないでしょうか。本コラムでは、新人育成において重要なポイントや、新人育成における心構え、具体的な育成方法についてご紹介します。人事・教育担当の方はもちろん、新人指導を任されているOJTトレーナーの方にもお役立ていただける内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

新入社員育成のコツとは?新人育成に欠かせない心構えと、具体的な育成方法|人材育成コラム_3

新人育成で最も重要なのは「新入社員を理解すること」

新入社員に限った話ではありませんが、コミュニケーションにおいて最も重要なのは「相手を理解すること」です。相手の特性や考え方を理解せずにコミュニケーションを取っても、ちょっとしたアドバイスでさえ伝わりません。そこで、まずは新入社員を理解する第一歩として、最近の新入社員の傾向から見ていきたいと思います。

新入社員育成とは?|新入社員育成のコツとは?新人・若手社員のモチベーションを高める接し方と育成方法|人材育成コラム_3

最近の新入社員の傾向

最近の新入社員は仕事に対してどんな意識を持ち、どんなことを考えているのでしょうか。2021年度の新入社員意識調査のデータなどから、まずは新入社員の特徴を押さえておきましょう。

特徴① 会社に求めるのは「相談できる機会」

「キャリア形成支援について会社に期待することは何か?」という質問に対して、「上司に相談できる機会をつくってほしい」との回答が49.7%、「上司以外の社員に相談できる機会をつくってほしい」との回答が33.3%を占め、多くの新入社員が「相談の機会」を求めていることが分かりました。2021年も昨年に続き、在宅勤務や自宅待機、プライベートの外出自粛など、職場に限らず人と接する機会が減っていることから、コミュニケーションの機会を重視する傾向が表れていると推測できます。

特徴② 将来リーダーを志望する理由は、「仲間と仕事するのが好きだから」が増加

将来会社で担いたい役割を尋ねた質問では、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」と回答した新入社員の割合が26.9%と、例年よりも1.4pt高い結果でした。リーダーになりたい理由では、「仲間と仕事するのが好きだから」と答えた割合が、調査開始の2013年以来、過去最高となりました。コミュニケーションの取りにくい環境での就職活動を通して、より「人とのつながり」を重視する意識が強まっていると考えられます。

特徴③ 理想の上司像は「優しく指導する上司」

「自身のキャリアアップにつながる理想の上司はどんな上司ですか?」という質問では、「優しく指導する上司」が49.1%と最も多い回答でした。前述の通り、人とのつながりを重視する傾向が強い新入社員は「まずは気軽にコミュニケーションを取りたい」という気持ちの表れからか、上司に「優しさ」を求める傾向が強いようです。ちなみに、管理職への質問で「あなたが目指す上司像として考えに近いものはどれですか」に対しては、「優しく指導する上司」は13%と低く、管理職と新入社員の間には理想の上司像に大きなギャップがあることもわかりました。

今回ご紹介した内容は以下の調査データを基にしています。詳細については、以下を参考にしてみてください。

新入育成のコツ①:心構えと接し方

いかがでしょうか?最近の新入社員の特徴は把握いただけましたでしょうか? 次に、新人育成を行う上司・先輩に必要な心構えをお伝えしていきます。

一人ひとりが異なる特徴を持っていることを理解する

前章でお伝えした「新入社員全体の傾向を知ること」は相手を理解する第一歩です。しかし理解するために一番重要なことは、新入社員一人ひとりと向き合いそれぞれの特徴を把握することです。 具体的な行動としておすすめしているのは、日々の会話や面談の中で新入社員の話を聞いてみることです。新入社員が何を実現したくて入社したのか、どんな働き方を求めているのか、何を大事にしているのかといった「想い」を聞き出すことで、少しずつ相手への理解が深まるはずです。

自分の考え方、これまでやっていたことを押しつけない

新人育成を行う中で陥りがちな失敗として、「上司や先輩が自分の考え方や、やり方を押しつけてしまう」ということがよくあります。「私が新入社員の時はこうやって成長した」「こうやればうまくいく」といったアドバイスは、必ずしも今の新人育成に当てはまるベストなやり方ではないかもしれません。もちろん、新人育成する中で皆さんの知識や経験は必要不可欠です。ただし、「どう学ばせるか」「どう伝えるか」は、今の新入社員の状況に合わせてあげるとよいでしょう。

自分がお手本を示し、ロールモデルとなる

新入社員は、驚くほどに上司や先輩の行動や発言をよく見ています。自分自身の日頃の行動が新入社員のお手本となれているかを意識しましょう。社内ルールの順守、挨拶、ビジネスマナー、言葉遣い、報連相など、皆さんが率先垂範することが新入社員にとって最もわかりやすい見本となります。反対に、上司や先輩が会社の愚痴を言っているなど、お手本になれていないと、新入社員もいつの間にか愚痴や不平不満を口にするようになるなど、目指して欲しい人材像からかけ離れていく恐れもあります。 入社して数年の間に見聞きしたことは、新入社員の将来に大きな影響を与えます。ぜひ「見られている」という自覚をもって新人育成に取り組んでください。

新人育成のコツ②:育成・指導方法

心構えをご理解いただいたところで、次にどのように新入社員を育成・指導すればよいのか、新人育成の具体的なポイントを3つご紹介いたします。

  • (1) 業務依頼時には「全体像」「目的」「つまずきポイント」を教える
  • (2) 振り返りの支援を行う
  • (3) キャリアを考える機会を確保する

それぞれのポイントを具体的に見ていきましょう。

(1) 業務依頼時には「全体像」「目的」「つまずきポイント」を教える

業務を依頼する際には、「全体像」や「目的」を伝えてから取り組んでもらうことが重要です。業務の全体像や目的が不明瞭だと、業務全体のつながりが見えず、一つひとつの仕事が作業になってしまいます。また、新入社員が業務を行う際につまずきそうなポイントや想定されるリスクは事前に伝えてあげましょう。そうすることで本人の不安が解消され、問題が発生した場合も冷静に対応ができるようになります。

仕事の任せ方の具体的な方法として、当社がおすすめする「任せ方2.0」をご紹介します。「任せ方2.0」とは成長が促進される仕事の任せ方で、立教大学経営学部の中原淳教授と当社が共同で行った「中小企業人材育成実態調査」をもとに開発した手法です。

<任せ方2.0>

新入社員育成のコツとは?新人育成に欠かせない心構えと、具体的な育成方法|人材育成コラム_3

STEP1 意義付け

仕事の内容を伝えるとともに、任せる仕事が所属する組織にとって、また本人にとってどういった意義を持つのか説明することが重要です。そうすることで、新入社員が目的意識を持って仕事に取り組めるようになります。
例)「『仕事のやり方を見直す』ということが本当の目的です」
「○○さんにとっても、うちの部門の業務についての理解を深めるいい機会になると思います」

STEP2 つまずきワクチン

順調に進まない場面や起こり得るリスクについては事前に伝えましょう。また、つまずいた場合の対応方法を事前に伝えておくと、新入社員が一人で悩むことなくスムーズに仕事を進めることができます。
例)「特に『データ集計』という点には、本当に苦労すると思います」
「データ集計でわからないことが発生したら、田中先輩に相談してね」

STEP3 意義付け

最初の意義付け、つまずきワクチンを経て、再度意義付けを行います。改めて、仕事の意義を伝えることで、部下は仕事の依頼の背景には自分への期待があることを再度認識することができます。その結果、仕事への主体的な関わりが生まれやすくなります。
例)「仕事のやり方を改善する大切な仕事だし、○○さんにとってもいい経験になると思います」

STEP4 自己決定

依頼した仕事に取り組むか新入社員自身に決定をしてもらいます。もちろん業務内容によっては、必ずやってもらわなければいけない内容もあると思いますが、自己決定を促すことで、新入社員は当事者意識を持つことになり、仕事への責任感が増します。
例)「この仕事、引き受けてくれますか?」

仕事の任せ方についてより詳しく知りたい方は、こちらもお読みください。

(2) 振り返りの支援を行う

日々の経験から得た学びをほかの業務にも転用してもらうには、上司や先輩の振り返り支援(内省支援)が必要です。
特に近年は定型の業務が減り、非定型の業務が増えている傾向にあります。結果、新入社員に任せる仕事も日々同じ業務ではなく、多岐にわたることが予想されます。また、振り返りは出来る限り具体的に状況を思い出し、成功・失敗要因を見出すことが重要です。定期的に振り返りを行うことで成長へと導いていきましょう。

(3) キャリアを考える機会を確保する

3つ目のポイントは、新入社員に自身のキャリアについて考える機会を作ることです。もしかすると、新人・若手社員に将来を考えさせることに対してリスクを感じる方もいるかもしれません。「本人のやりたいことが明確になり、その結果転職を考え始めたらどうしよう」「転職を防止するためにも外の世界は見せないほうがいいんじゃないか」といった気持ちもあるかもしれません。ただし、中小企業人材育成実態調査の結果によると、社員に対してビジネスパーソンとしての将来を考え、今やるべきことを実行することが、自社の愛着にプラスの影響をもたらすことがわかっています。つまり、社員の将来に対して誠実に向き合うことが、結果的に会社への愛着心を育むことにつながります。
では、どのようにキャリアを考える機会を持つとよいのでしょうか。キャリアを考える切り口や具体的なポイントをご紹介します。



<キャリアを考える切り口>

① 入社時の動機を思い出す

何を実現したくて入社したのか、なぜ実現したいのか、自身の興味・関心を思い出します。


② 社会人として目指す姿をイメージする

半年後、1年後、3年後にどういった状態になっていたいのかを考えます。 例)頼れる先輩になっていたい、一人で顧客対応ができるようになりたい など


③ 実行できる具体策を考える

上記②を実現するための具体的な取り組みを考えます。
例)毎朝新聞を必ず読む、自社商品のパンフレットをすべて読み込む など


④ 成長実感できる振り返りを行う

上記で考えた内容が実践できているかを定期的に振り返ります。
先輩や上司との面談、人事との面談、研修などで行われることが多いです。月1回~半年に1回のペースで定期的に行うとよいでしょう。周りから見た本人の成長しているポイントをフィードバックすると、本人にとっての大きな気づきとなります。



<キャリアを考えるときの具体的なポイント>

① 遠い将来の目標を考えることに固執しない

企業や自身を取り巻く環境は日々変化しており、キャリアの志向性は遭遇する人々や出来事から影響を受けることも多いです。そのため、10年、20年先の遠い未来を具体的に描くことよりも、まずは近い将来のありたい姿をイメージすることが大切です。

② 「今できること」を具体的に聞いていく

目標が絵に描いた餅にならぬよう、まずは「今の業務でできること」を具体的にすることが大切です。ただ、本人の中でイメージがわいていない場合もよくあります。そんなときは、上司や先輩がアドバイスし一緒に具体化してあげましょう。

新入社員を理解し、適切な新人育成を

いかがでしたか。以上が、当社が考える新人育成のコツです。まずは自社の新入社員一人ひとりと向き合って特性・特徴を理解された上で、今回紹介した育成のポイントをぜひ参考にしてみてください。

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また、新入社員向けの研修は"基本"を学ぶ、社会人の第一歩新入社員研修をどうぞご覧ください。

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