自分の能力を活かして成長する「キャリア形成」の考え方

働き方が多様化し、さまざまな仕事への向き合い方が増えている現代において、スキルアップやステップアップを目指すうえで欠かせないのがキャリア形成です。
本コラムでは、キャリア形成の定義や重視されている背景、ポイントについて解説します。

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自分の能力を活かして成長する「キャリア形成」の考え方|人材育成コラム_3
目次

キャリア形成・キャリアデザインとは

キャリア形成とは、自分がどのようにビジネスキャリアを歩んでいくかを計画し、その通りに知識やスキルを獲得し経験を積んでいくことを指します。キャリア形成のためには、そもそも自分の人生をどう過ごしたいのかを主体的に構想・設計する必要があります。この人生設計のことをキャリアデザインと言います。

キャリアデザインのポイントは、仕事だけでなく、今後の人生を考えるプランニングであるという点です。

キャリア形成の本質は「働くことや生きることに価値を感じ、自分自身で道を切り開いていくこと」です。しかしながら、働き方が変化している昨今、企業側だけの働きかけではキャリアの見通しをたてることが困難になっています。そのため、現代のビジネスパーソンは、キャリアデザインの能力を磨く必要が出てきているのです。

キャリア形成・キャリアデザインは厚生労働省でも重視されており、「職業訓練等を計画に沿って行っている」といった条件を満たす場合、研修費用の助成を受けられます。国としても、企業の人材育成のため、キャリア形成・キャリアデザインの設計が重視されているのです。

キャリア形成が重視されている背景

(1)終身雇用といった就職形態の変化

10年ほど前までは力のある企業に入れば、定年まで安定したキャリアが約束されていました。終身雇用の企業も数多く、就職活動の目標は安定している企業に入ること。自分がどんな仕事に就きたいのかを真剣に問い詰める必要はありませんでした。

しかし、現代は経済の低迷やグローバル化が進み、終身雇用や年功序列の企業形態は崩壊しつつあります。2010年には内閣府経済社会総合研究所が終身雇用の継続が困難という発表をしていることからも、厳しい状況といえるでしょう。

持っているだけで生涯を保証してくれるような学歴や肩書、資格は無いと言っても過言ではありません。だからこそ、どんな仕事にやりがいを感じるのか、どのように自分のスキルを磨いていく必要があるのか、といったキャリアデザイン・キャリア形成が重要になっています。

(2)転職者の増加

終身雇用制度の崩壊と共に、よりよい業種や職場で働きたいと転職を目指す人が増加しています。また、従来は幅広い業務をこなせる総合職のような働き方が主流でしたが、近年では専門スキルに特化した働き方も増えました。個人に求められるスキルが多様化していることから、一人ひとりが自分の強みとなるキャリアを築くことが重要です。

これからさらにAIによって仕事の進め方が変化していくことを考えると、AIで代替できないような職種や業種を目指すのか、社会にとって必要な人材になるキャリアを築くのか、考えるべきポイントも増えています。

(3)働き方の多様化

自由度の高い働き方が増えていることも、キャリア形成が重視されている要因です。フレックス制度やテレワークは政府からも推進されていて、働き方の幅は多様化しています。企業からの要望に柔軟に対応するためには、言われたままをこなす以上の目的意識・行動が必要不可欠です。そこでキャリアデザインやキャリア形成の考え方が活かされています。

キャリア形成の方法

新入社員にとっては、キャリア形成と言われても何をどう考えていいのかわからないでしょう。再度キャリア形成について考え直したい人も、4つのポイントに沿って理想の働き方や人生を思い描くのが有効です。

(1)「Will-Can-Must」を考える

キャリア形成を考えるうえでのフレームワークに「Will-Can-Must」というものがあります。やりたいこと(Will)、できること(Can)、やるべきこと(Must)を書き出していくシンプルなものです。例えば3年後までに部長に昇進したいと考えている場合、どのような知識・スキルを身につける必要があるのかをリストアップします。それをWillとCanとMustに振り分けることで、今後何から取り組み、どのようにキャリアを形成していくべきかが見えてきます。

また、キャリアデザインの観点では、この3つが重なる部分が最も満足度の高い領域です。Willが満たされることでモチベーションが高まり、Canが満たされることで自分の能力を発揮でき、Mustが満たされることで期待や役割を全うしている充実感が得られます。この考え方により、適材適所の配置を行えば、社員の活躍の幅も広げられるでしょう。

(2)ロールモデルを見つける

やりたいことが見つからない場合に有効なのが、ロールモデルを見つける方法です。身近な人でも有名人でも構いません。憧れの気持ちがあったり、かっこいいと感じる人を見つけ、その人のキャリアを調べましょう。キャリア形成のヒントになるはずです。

(3)やりたくないことをリストアップする

やりたいことが見つからないときの有効な考え方として、やりたくないことをリストアップする方法もあります。積極的に取り組みたいことよりも、これは避けたいというもののほうが思いつく人もいるでしょう。やりたくないことをもとに、どんな働き方が理想なのかを考えます。

キャリアデザインの考え方と事例

キャリアデザインの考え方は一様ではありません。そのときの仕事の状況や、一人ひとりを取り巻く環境によって提示すべきキャリア形成の考え方を見極める必要があります。大きな考え方の例としてあげられるのが「川下り型キャリア」「山登り型キャリア」の2種類です。

(1)川下り型キャリア

仕事をはじめたばかりの頃のキャリア形成の考え方です。仕事に慣れておらず、全体像が見えていない時期のため、会社や周囲の影響を受けざるを得ない状況。このタイミングでは、ゴールを掲げて進むよりも「目の前のことを1つ1つ乗り越えて経験を積み上げていく」というキャリア形成の意識が重要になります。

仕事や周囲の関係といった急流にもまれながら進むことから、川下り型キャリアと呼ばれます。緻密な計画をたてるよりも、経験後の振り返りと挑戦し続ける姿勢がポイント。意欲的に能力向上へ取り組みましょう。

(2)山登り型キャリア

一定のキャリアを積んだうえで、さらに次のステップへ挑戦しようとする際のキャリア形成の考え方です。目標にする姿とプランを明確にし、目標に向かって一歩ずつ着実に積み上げていく様子から山登り型キャリアと呼ばれています。大切なのは、自分の意思で「プロを目指す領域を決める」こと。自分の価値観や仕事の動機をもとに、覚悟を固めてキャリアを形成します。

キャリア形成に必要な能力

キャリア形成に必要な能力はある程度共通している部分があり、以下の4つのスキルが代表的なものとしてあげられます。専門的な知識やスキルだけでなく、仕事を進めていくうえで基本となる能力を磨くことを意識してキャリアをデザインしましょう。

(1)人間関係や社会関係を築く力

仕事では必ず人とのやりとりが発生し、大きな案件であればチームで動くことも多いでしょう。人間関係や社会関係が悪い人は、企業から求められません。会社の評価を落とすことにつながるためです。また、仲間と連携して得られる成果は、一人のときの2倍にも3倍にもなります。業務でクライアントとの良好な関係性を構築する必要がある以上、キャリア形成でも必須のスキルといえます。

(2)自分を把握し成長させる力

成長するためのキャリアプランを考えるうえでは、自分の現在地を正しく理解することが重要。そこから目標としている位置とのギャップを算出し、間を埋める計画をたてます。自分は何ができて何ができないのか、やりがいを感じることや得意なことは何か、を把握しましょう。それをもとに行動へ移し、自ら成長を促します。

(3)課題を発見し解決する力

成長のためには課題を見つけ、解決していく力も必要不可欠です。企業は、社会の課題に働きかけることで利益を生み出しているので、役職が上がれば上がるほど課題を見つけて解決しようとする視点が求められます。小さなことでもよいので日々課題を見つけ、改善のために行動へ移しましょう。繰り返すことでだんだんとスキルが身につきます。

(4)計画をたてて実行する力

闇雲なキャリアの積み重ねは、キャリア形成とは呼べません。自身が置かれている現在地を理解して、理想とする姿を目標に置き、それに沿った行動をすることではじめてキャリアが形成されます。計画をたてて実行する力も必須です。計画は頭の中だけで完結させず、紙やPCに書き出すなどして言語化するのが重要。計画の時点でアクションプランを明確にすると、実行力が高まります。

まとめ

働き方が多様化する現代では、言われたことを淡々とこなすのではなく、どんな自分になりたいかを描いてキャリアを積むことが大切です。どんな仕事をしていてもキャリア形成・キャリアデザインのスキルが基盤になります。ステップアップを図る中でも、どんなキャリアプランを描いていくのか、考えを求められることがあるでしょう。

ラーニングエージェンシーが提供するキャリアデザイン研修では、キャリアデザインの定義や考え方を身につけることができます。研修では、他者との意見交換を行うことで、自分自身では気づきにくい思考の癖や偏りを認識したり、他者から見た自らの強みを把握できる機会にもなるでしょう。自らが進むべき道を明確にし、やりがいを持って働けるよう、キャリアデザイン研修をぜひ活用してください。

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