企業の人材育成を支援 ALL DIFFERENT株式会社

導入事例_2

東海岡谷機材様 Biz CAMPUS Basic / Biz SCORE Basic導入事例
モノ売りからコト売り実現は言葉以上に難しい。専門スキルを属人化させない組織のつくり方

東海岡谷機材様 Biz CAMPUS Basic / Biz SCORE Basic導入事例
モノ売りからコト売り実現は言葉以上に難しい。専門スキルを属人化させない組織のつくり方|事例

東海岡谷機材株式会社 様
設立
:1987年
事業内容
:商社(金属加工機械、産業機械、機械周辺装置、切削工具、ツーリングや自動化システム等メカトロ関連商品全般の販売 )
従業員数
:73名(2021年4月現在)
本社
:愛知県刈谷市原崎町4丁目207番地
企業サイト
:https://www.tokai-okaya.co.jp/
“モノ売り”から“コト売り”へのシフトの中で、「御用聞きではなく、お客さまのお困りごとを解決するソリューション提案ができる集団になっていく」ことを目標に掲げた東海岡谷機材株式会社。その実現に向け、原野孝司社長を筆頭に、全社員が全力で人材育成に取り組んでいます。原野社長と管理部企画室長の尾藤友寛様に、当社も支援した「能力の棚卸し」や知識インプットのための研修活用について伺いました。
*新型コロナウイルス感染防止のため、十分に距離を取りインタビューを実施いたしました
東海岡谷機材株式会社 取締役社長 原野孝司氏
原野孝司 様
東海岡谷機材株式会社
取締役社長
東海岡谷機材株式会社 管理部企画室長 尾藤友寛氏
尾藤友寛 様
東海岡谷機材株式会社
管理部企画室長
以下、敬称略

インタビューのサマリインタビューのサマリ

  • サービス導入の目的
  • ソリューション提案ができる集団を目標に、まずは「能力の棚卸し」をする
  • サービス導入後の効果
  • ・若手社員から幹部層まで、スキル・能力の可視化ができた
  • ・属人化しているノウハウやスキルの発見ができた
  • ・社員が知識習得に積極的になった
  • ・知識の習得度合いが測れるようになった

AI、IoT、スマートファクトリー化、DX社会...
新しいパラダイムの中の勝ち残り戦略

- 本日はよろしくお願いします。
まずは、御社の事業内容や岡谷鋼機グループの中での位置づけについて教えてください。

   【原野】当社は、鉄鋼や非鉄金属、また工作機械や食品などを扱う総合商社、岡谷鋼機株式会社100%出資のメカトロニクス專門商社です。設立当初は、工具や消耗品を扱うという、いわば親会社の営業代行のような存在でしたが、時代の流れとともに商材を拡充し、今では消耗品よりもメカトロ設備の提案営業が多くを占める企業へと進化しました。

原野 様
- 時代の進化に合わせ、役割も進化させていったということですね。

   【原野】日々進化を続けるテクノロジー、そして社会への実装と、私たちを取り巻く環境は猛スピードで変化しています。かつてはメカだけで動いていたものに電子制御が加わる。さらにはAIやIoT、スマートファクトリー化、DX社会...といった具合です。

当社が本拠を置く、この東海エリアの経済を支えてきた自動車産業を見ても、その役割は今後大きく変わっていくでしょう。EV(電気自動車)の普及どころか、もしかしたら自動車メーカーが、クルマをつくるのではなく、モビリティ社会の仕組みをつくる可能性だってありますよね。そうなれば、当然ビジネスの構造もサプライヤーの役割も大きく変わります。

また、お客さまの意識も、商品そのものを買うのではなく、あらゆる商材の組み合わせによって価値を得ること、つまり"モノ"から"コト"へと変化しています。このような時代の変化に対応するには、私たち自身も変わっていかなければなりません。常識を変えるようなソリューション提案ができてこそ、私たちの成果につながる。"モノ売り"から"コト売り"へのシフトが求められているということです。

- コト売りへと進化すべく、新たな中期計画を策定されたのですね。

   【原野】2021年2月に、次の5年に向けた中期計画を策定しました。この中期計画では、従来の事業に縛られることなく新しい分野に挑戦し、「お客さまのお困りごとを解決するソリューション提案ができる集団になっていく」ことを目標として掲げています。月並みかもしれませんが、御用聞きではなく、現場の声を拾い、それをもとにソリューション提案できる人材がいてこそ、私たちの介在価値が発揮されるのです。

その一環として、最近、商社では珍しい電気制御技術者を採用したんです。ソリューション提案における"技術力"や"専門性"を高めることで、「現場でのお困りごとを解決するんだ」という姿勢を前面に打ち出しました。今後も、お客さまの期待に応えられる体制へと進化すべく、積極的に採用を進めていきたいと考えています。

個人の経験値に依存しない組織づくりは、 自社流ビジネス基礎力の棚卸しから

- 人材の多様化も進んでいるのですね。
では、お客さまのお困りごとに応えるためには、具体的にどのようなスキルが必要だとお考えですか?

   【尾藤】単なるモノ売りだったら商品知識だけで十分かもしれませんが、お客さまの要望や潜在的なニーズを掘り起こし、その解決策を提示していくには、ヒアリング能力は不可欠。また、メーカーさんやシステム会社さんとの連携も必要になってきますので、多方面の分野の専門家たちを上手にコーディネートする能力も求められます。

- そのようなスキルを社員一人ひとりに身につけてもらうため、
どのような取り組みを行っているのでしょうか?

   【尾藤】当社に限らず、ひと昔前までは、何はさておき現場に突撃し、それを何度も繰り返して、いろんな人に怒られながら成長していくのが当たり前だったのではないでしょうか。様々な経験を積み重ねてこそ成長があるんだと。

しかし、それでは成長スピードや能力にバラツキが生じてしまいますし、ノウハウの属人化も進んでしまいます。また、「現場で学べ!それが成長機会だ!」と言われても、モチベーションは上がらないものです。「失敗すれば怒られるし、面倒なことをやるよりも、簡単なことで済ませたい」、もし若手社員がそんな気持ちになってしまっては本末転倒。そのため当社では、まずは若手社員の教育レベルを平準化することを目指しました。

尾藤様
- 平準化に向けて何から取り組んだのでしょう?

   【尾藤】当社では以前、新入社員が現場に配属されたら、後は現場任せのOJT頼みになっていました。その体制を改め、若手社員がコア事業における営業基礎力を習得できるよう、配属後、営業業務フローに合わせたロールプレイング演習を行うことに。さらに、全業務で共通して対応すべき事項を営業マニュアルとして明文化。例えば、見積書作成の仕様、受発注に必要なフローといった事務手続的な作業までを細かく洗い出し、マニュアル化しました。

その後は、所属部署や上司の価値観、現場の負荷など、状況が異なることで身につくスキルにバラツキが出てしまっていたので、そこの改善に着手。現場で必要となる能力の棚卸しを行い、どんな能力が身につけば組織のクオリティが担保できるのか、具体的に明文化していきました。

- 能力の棚卸しは重要ですが難しそうですね。

   【尾藤】必要な能力を見極めるために、ALL DIFFERENT株式会社さんの「Biz SCORE Basic(ビジネススキル診断テスト、以下BSB)」を活用させていただきました。可視化された結果をもとに、若手スタッフ、中堅どころ、幹部は、それぞれいったいどんな違いがあって能力を発揮しているのか、それは属人的になっていないか、などと考察を交えながら、專門分野の知識、ニーズをくみ取る能力、課題解決のためのチームビルディング、ソリューション実施のためのマネジメントスキル...と、1つ1つを精査して明文化していきました。

みんなで議論しながら、仮説を立てて、体験して、それをまた考えて...。そうやって出来上がっていったモノを全員で共有することによって、自分事として捉えるようになり、営業、専門職、一般職それぞれのポジションで積極志向が身についてきたと実感しています。

また、ALL DIFFERENT株式会社さんには、細かいところまでヒアリングをしていただいたおかげで、階層や職種による分類も明確になりましたし、何より第三者目線で情報整理をしていただいたことでわかりやすくなったと感じています。

必要スキルのもう一歩先をいく思考力が
組織の強みに拍車をかける

- 一人ひとりの能力をチームワークで補完し合えば、強みが加速しますね。

   【原野】平準化の一方でこれからの時代は、先ほども言ったように、コンサルティング能力、コーディネート能力が重要となってきます。ロジカルにものごとを考えて顧客のニーズを引き出し、それに沿った、あるいは期待を上回る提案をすることで顧客満足を上げていかなければいけません。

商社って個人商店の色合いが強く、個人の力量に依存する部分がとても大きい。しかし個人で高いパフォーマンスを発揮できる人は、チームで1つのゴールを目指すとか、役割分担をするとか、組織をまとめるのが苦手だったりします。とはいえ、個人の力量だけでは課題解決に限界が見えている。いろんな得意分野を持った人たちをつないだ統合力でソリューションを提案していく必要があるということです。

例えば、会議ひとつをとっても、その質を上げることで、チーム・組織の成果につなげていくこともできるはずです。会議の質を上げるには、当然、全ての階層の社員から衆知を集めなければなりません。これは社員全員が幅広い知識に触れ、自身の知識にしていく必要があるということです。

- その推進に向け、当社の集合研修サービス「Biz CAMPUS Basic」と
オンライン研修の「Biz CAMPUS Online」をご利用いただいていると。

   【原野】集合研修もオンライン研修も、どちらも実務に即したカリキュラムなので本当に助かっています。時間も2時間とちょうどよく、その中でポイントをおさえて、一人ひとりが自分の尺度を見える化できるのが大きなメリットです。受講して消化されてしまう研修でなく、現場ですぐに使えるノウハウがたまっていくのも、この研修サービスの魅力ですね。

原野様 尾藤様 
- 研修を受けて、社員の皆さんに変化はありましたか?

   【尾藤】営業、専門職の社員だけでなく、いわゆるペン習字の感覚で研修を選択していた一般職の社員が、今では課題解決に必要なPDCAのテーマを自ら進んで受講するようになるなど、意識が大きく変わってきました。どうすれば組織のためになるのか、そんな目線を養っていけるようになってきましたし、ポジティブな思考、組織の成長のための解決策も出てきたんですよ。

-当社の存在がお役に立って、嬉しいですね。

   【原野】コンサルタントによる定期的なアドバイスもありがたいですし、ビジネス基礎力が一人ひとりにどのぐらい浸透しているかを可視化できるBSBがあることも大きいですね。当初は、必要スキルの可視化のために導入したBSBですが、定期的に受けることで、知識がどの程度定着したのかを測ることもできますから。

-最後に、今後の人材育成に対する意気込みを。

   【原野】モノ売りからコト売りと言われるようになって久しいですが、コト売りというのは言葉以上に実現していくことが難しいと感じています。相手が欲している"コト"って何なのか? それを突き詰めていくと、やはり"人財"の育成に行き着くのです。今までの常識が変わっていく中でビジネスを継続的に成長させていくためにも、人財育成は止められません。

担当コンサルタントより

現在は「Biz SCORE Basic」「Biz CAMPUS Basic」「Biz CAMPUS Online」のほか、「AI人材育成パック」を導入いただき、"自社流"ビジネス基礎力の向上に活用いただいています。 原野社長も含めて、人材育成に真正面から向き合っていただいています。人材育成を、単なる研修と捉えて外部からのインストールに任せるのでなく、社内でどのように活用していくのかを具体的に考え、またそれを全社にどう浸透させるかを常に考えていらっしゃいます。それが同社の成長の秘訣でもあると思います。

ALL DIFFERENT株式会社 人材・組織開発コンサルティング本部 福本豊

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