「業界で活躍されているあの人は何がすごいのか」をコンセプトに開催しているHR×LEARNING スペシャルセミナー。2023年2月15日のセミナーでは、読解力研究の第一人者でもある国立情報学研究所 社会共有知研究センター センター長・教授 新井紀子先生より、「真のAI活用に向けて、読解力研究の第一人者が語る!今の時代を勝ち進む「人的資本経営」の在り方とは」をテーマにご講演いただきました。

真のAI活用のポイントは
「AIの得意・不得意」を理解すること

近年「AIが人間の仕事を奪う」と話題になっています。新井先生は、これに先駆けて2011年からAIプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」を企画、牽引され、プロジェクトチームが開発したロボットが実際に関関同立MARCHクラスの大学に充分入学できるレベルの学力を有したことで大きな話題を呼びました。一方、AIには「意味を理解していない、当てているだけ」という弱点も。簡単な翻訳やプログラミング、単純なブログなどはAIで代替できるものの、時に思いもよらない「外れ値」のような間違った結果を導くこともあると新井先生は警鐘を鳴らし、真のAI導入・DX化には「AIの得意・不得意を理解することが大切」と語りました。

人的資本経営時代に伸ばすべきスキルは読解力

人間がAIとうまく付き合うには、この人間側の読解力が鍵になります。人間にはAIにはない「意味を理解できる、正しさをチェックできる」という強みがあり、この強みの本質が読解力です。読解力を鍛えることで、間違った情報に惑わされにくく、業務でのリスキリングや生産性向上を行いやすくなります。セミナーでは読解力をはじめとした社員のスキル開発のコツとして「スキルが身についているか定期的に検証し、振り返りの機会を創ることが大切」と語り、その一つとして新井先生が開発した読解力測定ツール「リーディングスキルテスト(RST)」の特徴についてもご紹介いただきました。

読解力トレーニング方法に質問が集中

参加者から読解力向上に必要な期間を尋ねられると、「トレーニングをすれば長くても半年でメキメキ上がる」と力強く回答。「ドリル形式でただ回数をこなすのではなく、文脈の中で意味に落とし込む丁寧なトレーニングが大事」などのヒントや、具体的な毎日のトレーニング方法も共有いただきました。