【若手社員の意識調査(社会人2年目~4年目の直面する壁 ストレッチ業務編)】難しい仕事への挑戦 全年次共通で約4割が成長の機会と感じる| ニュースリリース |人材育成・社員研修

【若手社員の意識調査(社会人2年目~4年目の直面する壁 ストレッチ業務編)】仕事の飽きの壁は社会人2年目が最も高く約5割が直面

株式会社ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション株式会社、本社 東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔)および人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所では、社会人2年目~4年目の900人に対し、2022年7月に直面している壁に関する意識調査を行いました。なお、調査結果は4回に分けて公表予定です。今回は2回目の公表であり、本人の力量より難易度の高い仕事であるストレッチな業務に関する壁について、分析した調査結果です。

背景

当社ではこれまで、新入社員の意識調査や入社1年目のギャップに関する調査など、1年目社員の調査を様々な視点で行ってきました。
人材育成、採用などの業界においても1年目社員に関する調査は数多く実施されていますが、2~4年目の社員に関しては1年目ほどフォーカスが当たっていないのが現状です。一般的に"若手"と一括りにされることが多い年次ですが、各年次における意識は多種多様ではないでしょうか。
若手が思うように育たない、新人研修やOJTなど時間やコストを投資したがすぐに辞めてしまう、これからというタイミングで転職してしまうなど、若手に関する悩みは多くの企業が抱えており、当社にも日々相談が来ています。その解決の糸口をみつけるために、若手を紐解き、2年目、3年目、4年目と各年次がそれぞれどのような価値観を持ち、悩みを抱えているのか、また共通点や違いは何かを明らかにすべく、各年次に対して調査を実施しました。

調査結果の概要

  • ・ 「仕事の判断を任されることがある」のは2年目が最も高く約5割が実感。年次が上がるにつれて低下傾向
  • ・ 全年次が難しい仕事と感じるのは「スキルアップへの挑戦」。2年目は「上層部とのやり取り」、3年目は「影響範囲の大きい業務」、4年目は「リーダーシップの発揮」においても難しさを実感
  • ・ 難しい仕事と感じる場面は「成長の機会」「期待に応えよう」と全年次がポジティブに捉える
  • ・ 仕事の判断を任される状況、どの年次でも成長の機会や期待に応えようといった気持ちに繋がるが、その次には不安の感情が存在
  • ・ 自分の能力を超えた難しすぎる仕事は、ポジティブな感情よりも不安が勝り始める
  • ・ 2年目の4割が精神的に追い詰められたことありと回答。各年次共通して、1位は「プレッシャーが大きいとき」
  • ・ 精神的に追い詰められた状況は不満や離職意向に繋がる
調査結果の概要

調査結果の詳細

1.   「仕事の判断を任されることがある」のは2年目が最も高く約5割が実感。年次が上がるにつれて低下傾向

本調査では、社会人2年目、3年目、4年目の若手社員に対し、現在どのようなことに困難を感じているか、不安を感じているか、仕事や上司、キャリアや自身の成長など、16の項目(以下、『16の壁』と記載)について質問しました。その中でも、「難しい仕事をすることがある」や「仕事の判断を任されることがある」といった本人の力量より難易度の高い仕事であるストレッチな業務にアサインされること、言い換えると難しい仕事への挑戦に関する壁について、結果を年次別に比較しました。
まずは、「難しい仕事をすることがある」について年次別に見ると、社会人2年目が42.7%と最も高い割合となりました。次に社会人4年目が37.7%、社会人3年目が36.7%となりました。
次に、「仕事の判断を任されることがある」においては、社会人2年目が47.7%と最も高い結果となり、次に社会人3年目が43.7%、社会人4年目が43.3%と続きました。
難しい仕事や、仕事の判断を任されることがあると感じるのは、どちらも社会人2年目が、3年目4年目と比べて高い割合となりました。(図1)

図1

2.   全年次が難しい仕事と感じるのは「スキルアップへの挑戦」。2年目は「上層部とのやり取り」、3年目は「影響範囲の大きい業務」、4年目は「リーダーシップの発揮」においても難しさを実感

ここからは、前述した「難しい仕事をすること」「仕事の判断を任されること」について、具体的にどのような場面か、またそれらのストレッチな業務をどのように捉えたか、結果を一部ご紹介します。

まずは、「難しい仕事をすること」とは具体的にどのような場面か、各年次に質問しました。結果、「資格取得や研修などスキルアップに挑戦できる」場面が、各年次最も高い結果となりました(社会人2年目25.0%、社会人3年目26.4%、社会人4年目19.5%)。
2番目以降は、年次により回答が分かれる結果となり、特に年次で差が出た項目は、社会人2年目の「上層部のメンバーと直接やりとりができる」が他年次と4.7ポイント以上の差をつけ18.0%に。社会人3年目は、「影響範囲が大きい業務へのアサインがある」が12.7%、「チーム横断のプロジェクトなどへのアサインがある」が11.8%となり、どちらも他年次と3ポイント程度、差が出ました。社会人4年目は「リーダーシップを発揮することが求められる」が15.0 %となり、2年目とは8.7ポイントの差がつく結果となりました。(図2)

図2

3.   難しい仕事と感じる場面は「成長の機会」「期待に応えよう」と全年次がポジティブに捉える

難しい仕事への挑戦に対し、各年次の社員はどのように捉えているのでしょうか。
「成長の機会と感じた」が全ての年次で最も高い結果となり、社会人2年目は39.1%、社会人3年目は38.2%、社会人4年目では46.0%となりました。次に「期待に応えようと感じた」が入り、2年目34.4%、3年目28.2%、4年目31.0%と続きました。仕事が難しいと感じる場面では、ポジティブに捉える社員が多いことがわかります。(図3)

図3

4.   仕事の判断を任される状況、どの年次でも成長の機会や期待に応えようといった気持ちに繋がるが、その次には不安の感情が存在

次に、「仕事の判断を任される」状況を、各年次の社員はどのように捉えているのでしょうか。
社会人2年目は「期待に応えようと感じた」が35.0%と最も高い結果となり、次に「成長の機会と感じた」が27.3%でした。どちらもポジティブな回答となりました。
社会人3年目、4年目は、「成長の機会と感じた」が37.4%、33.1%と2年目よりも高い結果となりました。一方、2年目で1位だった「期待に応えようと感じた」は、3年目は32.8%、4年目に至っては25.4%と2年目とは10ポイント近く差が出る結果となりました。総じてポジティブに捉えている社員の割合が高いことがわかります。
見逃せないのが、ポジティブな回答に続き、3位にはネガティブな感情である「不安に感じた」が全年次入ったことです。社会人2年目は18.9%、3年目は26.0%、4年目に至っては24.6%とポジティブ感情と僅差となりました。(図4)

図4

5.   自分の能力を超えた難しすぎる仕事は、ポジティブな感情よりも不安が勝り始める

難しい仕事への挑戦は、成長機会や期待に応えたいとポジティブに捉える人がいる一方、不安に感じる人も一定数いることが、前述の調査結果よりわかりました。不安に感じる人がいる点は、以下の調査結果からも伺えます。
「業務における役割について、自分の能力より高すぎると感じる状況をどのように捉えましたか」と質問したところ、「不安に感じた」と回答した割合が、「成長の機会と感じた」「期待に応えようと感じた」を超え、各年次で最も高い結果(2年目21.6%、3年目32.0%、4年目25.5%)となりました。自分の能力より高すぎる、仕事が難しすぎると、ポジティブな感情よりも不安の感情が勝ることがわかりました。(図5)

図5

6.    2年目の4割が精神的に追い詰められたことありと回答。各年次共通して、1位は「プレッシャーが大きいとき」

自分の能力よりも高すぎると感じる状況では、成長機会や期待に応えたい気持ちを超えて、不安という感情が大きくなる傾向があることがわかりましたが、その不安の感情が続くと精神的に追い詰められかねません。
実際、精神的に追い詰められたことがあるかという質問では、社会人2年目の41.7%、3年目は37.7%、4年目は41.3%の人が「精神的に追い詰められたことがある」と回答しています。(図6)

図6

精神的に追い詰められたことがある人に、どのような場面において精神的に追い詰められたか質問をしたところ、年次関わらず「プレッシャーが大きいとき」と回答した割合が最も高くなりました(2年目32.0%、3年目37.2%、44年目31.5%)。(図7)

図7

7.   精神的に追い詰められた状況は不満や離職意向に繋がる

精神的に追い詰められる場面に遭遇した社員は、その状況をどのように捉えているでしょうか。
社会人2年目は「不満を抱いた」が28.8%と最も高い割合となりました。社会人3年目、4年目は「会社を辞めたくなった」が最も高く29.2%、29.8%とそれぞれ回答しました。仕事の難易度が高いなど、プレッシャーが大きい場合は、精神的に追い詰められ、不安を超えて不満や離職意向に影響していることがわかります。(図8)

図8

まとめ

今回は、社会人2~4年目が直面する壁のうち、ストレッチアサインメントである、本人の力量よりも難易度の高い仕事と捉えられる難しい仕事、判断を任されるような仕事について分析しました。判断を任される仕事をする機会については、年次とともに上がるのではなく、2年目が最も高い結果となりました。2年目にとっては大きな判断であっても3,4年目にとっては些細なことであり、"仕事の判断"の捉え方の違いが影響している可能性もありますが、上司側の仕事のアサインが3,4年目は手薄になっている可能性も考えられます。前回の調査結果(2~4年目TOP3編)*では4年目の23%がいつも同じ業務をやっていると回答しており、仕事の割り振りの見直しが必要なタイミングとも言えます。

今回の調査では、難しい仕事を各年次の社員はどう捉えるかも調査し、「成長の機会」「期待に応えよう」と各年次共通してポジティブに捉えていることが明らかとなりました。全ての年次で「スキルアップに挑戦できる仕事」を難しい仕事と捉えている結果が出ましたが、仕事をアサインする際には、この仕事を通してどのようなスキルが身につくのか、身につけてほしいのかを事前に伝えておくことで、どのような仕事であっても「スキルアップに挑戦できる仕事」にすることができるでしょう。上司の伝え方次第で、部下の仕事の見え方、捉え方は大きく変わります。

今回は、ストレッチアサインメントの中でもパニックゾーンとも言える、プレッシャーが大きく、自分の能力を大きく超えた難しすぎる業務の際には、精神的に追い詰められ、不満や離職意向につながる可能性が高いことも明らかとなりました。成長のためには、難易度の高い仕事への挑戦は欠かせませんが、プレッシャーを与えすぎていないか、能力以上の業務を与えすぎていないかなど、1on1等を通し、定期的に状況を確認し、難易度を調整していくことが大切と言えるでしょう。

【ラーニングエージェンシー「若手社員の意識調査(社会人2年目~4年目の直面する壁TOP3編)」】

調査概要

調査対象者 22~34歳の社会人2年目~4年目の就労者
調査時期 2022年7月22日~7月25日
調査方法 調査会社によるインターネット調査
サンプル数 900人 <社会人2年目>300名、 <社会人3年目>300名、 <社会人4年目>300名
属性 <社会人2年目>
(1)性別
①男性:39.7%(119人)
②女性:60.3%(181人)

(2)所属企業の従業員数規模
①1人~50人:18.7%(56人)
②51人~100人:14.3%(43人)
③101人~300人:21.3%(64人)
④301人~1,000人:12.7%(38人)
⑤1,001人~5,000人:9.7%(29人)
⑥5,000人~:11.3%(34人)
⑦不明:12.0%(36人)
<社会人3年目>
(1)性別
①男性:35.3%(106人)
②女性:64.7%(194人)

(2)所属企業の従業員数規模
①1人~50人:21.3%(64人)
②51人~100人:13.7%(41人)
③101人~300人:14.7%(44人)
④301人~1,000人:15.3%(46人)
⑤1,001人~5,000人:11.7%(35人)
⑥5,000人~:9.7%(29人)
⑦不明:13.7%(41人)
<社会人4年目>
(1)性別
①男性:35.3%(106人)
②女性:64.7%(194人)

(2)所属企業の従業員数規模
①1人~50人:14.3%(43人)
②51人~100人:10.3%(31人)
③101人~300人:18.7%(56人)
④301人~1,000人:15.3%(46人)
⑤1,001人~5,000人:13.3%(40人)
⑥5,000人~:19.3%(58人)
⑦不明:8.7%(26人)

*本調査を引用される際は【ラーニングエージェンシー「若手社員の意識調査(社会人2年目~4年目の直面する壁 ストレッチ業務編)】と明記ください

*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています

*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます

株式会社ラーニングエージェンシー

当社は設立以来、定額制集合研修 「Biz CAMPUS Basic」、ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」、ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」など、人と組織の学びを支援する業界初*のサービスを開発・提供しています。「LEARNING」の可能性を探求し続け、「人と組織の未来創り」を真にリードできる伴走者、ラーニングコアパートナーとして、お客様に長く貢献してまいります。
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ラーニングイノベーション総合研究所

ラーニングエージェンシーの研究機関であるラーニングイノベーション総合研究所(以下、LI総研)は、人と組織の未来創りに関する様々な調査・研究活動を行っています。LI総研はデータに基づいた最適な解決策もご提供し、お客様の組織開発をサポートしています。

代表取締役社長 眞﨑 大輔
事業内容 人材育成・教育研修
本社所在地 東京都千代田区有楽町 2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー18F
URL www.all-different.co.jp

【若手社員の意識調査(社会人2年目~4年目の直面する壁 ストレッチ業務編)】難しい仕事への挑戦 全年次共通で約4割が成長の機会と感じる

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