内定者の本音は「期待」より「不安」!?
2021年度入社の内定者1,004人の意識調査を実施しました

2020年12月15日

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、採用段階から多くの“変化”を求められた2021年度入社の内定者。これまでとは大きく変わった環境において、どのような気持ちで内定期間を過ごしているのでしょうか。また、会社に対してどのようなサポートを求めているのでしょうか。1,004人の内定者の本音を聞きました。

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入社前の心情、77.2%の内定者が「不安・心配」

今回の調査は、2020年10月15日~11月25日にかけて、1,004人を対象に実施しました。例年とは全く違う状況で就職活動を終えた2021年度入社の内定者。これから社会人になるにあたって、どのような気持ちが強いかを尋ねたところ、77.2%の内定者が「不安、心配な気持ち」を選択(図1)。次いで2位が「嬉しさ、楽しみな気持ち(54.3%)」、3位が「期待感(53.1%)」となりましたが、どちらも半数強にとどまり、「不安・心配」が群を抜いて多いことが明らかになりました。

図1

(図1)

「自身の能力」に不安を抱えている内定者が6割超

次に、入社に向けて何に不安を感じているかを尋ねたところ、1位が「自分の能力で仕事についていけるか(69.2%)」、2位が「しっかりと成果を出せるか(60.3%)」となり、自分の能力に不安を感じている内定者が6割を超える結果となりました(図2)。

また、約半数が「職場のメンバーとうまくやっていけるか(49.4%)」を選択し、人間関係にも不安を抱えている実態が見えてきました。

図2

(図2)

内定者は「人間関係を築く機会」と「知識・スキル習得の機会」を求めている

では、自身の能力や人間関係に不安を感じている2021年度入社の内定者は、会社にどのようなサポートを望んでいるのでしょうか。

会社から受けたいサポートを聞いたところ、その傾向は大きく二軸に分かれる結果に。「先輩社員との人間関係を築く機会がほしい(59.1%)」「他の内定者との人間関係を築く機会がほしい(55.7%)」といった人間関係構築の機会と、「マナーや仕事の進め方など、社会人としての基礎を教えてほしい(51.2%)」「業界の専門知識や専門スキルを教えてほしい(50.5%)」という知識・スキル習得の機会を求めていることがわかりました(図3)。

これら4つの項目は、いずれも半数以上の内定者が選択。また、前問で明らかになった入社に向けての不安(自身の能力、人間関係に対する不安)とリンクする結果となり、ここに内定者の気持ちに寄り添ったサポートを実践するヒントが隠れているといえそうです。

図3

(図3)

まとめ

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けた2020年。多くの企業が、採用活動やフォローをオンラインに移行したほか、フォローの形も集団フォローから個別フォローに切り替えました。これはつまり、対面でのコミュニケーションの機会が減った、内定者同士のコミュニケーションの場が減ったということ。ただでさえ、社会人になることは不安が伴うものですが、それに新型コロナの影響が加わったことで、例年以上に内定者の「不安・心配」な気持ちは大きくなっているのではないでしょうか。

このような状況の中で、企業として何をすべきなのか。会社から受けたいサポートとして、内定者の多くが「人間関係の構築」「知識・スキルの習得」の機会を求めていることも踏まえると、2021年度入社予定の内定者に対しては、同期との絆の強化や、学生から社会人への変化=トランジション*のサポートを、これまで以上に手厚く行う必要があると考えられます。

とはいえ、コロナ禍で対面のイベントや集合研修を実施するのはまだまだ困難です。例えば、オンラインでもコミュニケーションが取りやすいよう、少人数で集まり、対話が発生するプログラムを実施することでお互いの理解を深めるのも一手。また、トランジションサポートとしては、実際の業務で必要な具体的な知識・スキルのインプットや会社・事業についてのレクチャーを、学習アプリやオンライン研修などを活用して入社前から行うのもよいでしょう。

先行きが不透明な中で大きなトランジションを迎える内定者の不安は相当なもの。今回の調査結果も参考にしていただき、内定者の"安心"につながるサポート・教育体制を今一度考えてみてはいかがでしょうか。

*トランジション:次の段階へ移行する転換期。キャリアにおいては、昇進・昇格や異動、また学生から社会人への移行などを指す

調査概要 内定者意識調査

調査対象者 当社が提供する内定者向け研修の受講者(2021年卒業予定)
調査時期 2020年10月15日~2020年11月25日
調査方法 Web・マークシート記入式でのアンケート調査
サンプル数 1,004人
属性 所属企業の従業員数規模
①100人以下:25.9%(260人)
②101~300人:44.9%(451人)
③301人以上: 28.6%(287人)
④不明(未記入):0.6%(6人)


*本調査を引用される際は【ALL DIFFERENT株式会社「内定者意識調査」】と明記ください
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
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