新入社員のうちは、まずは"汎用的なスキル"を身に付けるべき!?
2017年5月8日
今月は「新入社員のうちに身に付けておくべきスキル」について、新入社員を受け入れる立場である一般社員、係長・主任、管理職(計2,807名)を対象にアンケートを実施しました。また、2017年4月に「社会人1年目で身に付けたいスキル」について同様の選択肢で新入社員(4,745名)を対象にアンケートを実施しましたので、そちらと併せて分析を行いました。

- レポートのサマリ
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- 1. 新入社員のうちに身に付けておくべきスキルとして、受け入れ側(一般社員、係長・主任、管理職)の8割以上が「ビジネスマナー」を、4割以上が「傾聴力」を挙げている
- 2. 「傾聴力」や「タイムマネジメント力」について、受け入れ側は新入社員以上に「身に付けるべきだ」と思っている(順に72.9%、24.9%)。またそのことについて受け入れ側の役職間に差は見られない
- 3. 「プレゼンテーション力」や「専門スキル」については、受け入れ側が求める以上に新入社員が「身に付けたい」と思っている(順に25.7%、42.9%)
1. 新入社員のうちに身に付けておくべきスキルとして、受け入れ側(一般社員、係長・主任、管理職)の8割以上が「ビジネスマナー」を、4割以上が「傾聴力」を挙げている
回答を集計した結果、受け入れ側の8割以上(82.4%)が「新入社員のうちに身に付けておくべきスキル」として「ビジネスマナー」を挙げていることが分かりました。次いで約半数(49.2%)が「傾聴力」を挙げています(fig.1)。なお、専門スキルは技術・営業・会計・人事などで必要となる専門スキルを指しています。

また、「1年目に身に付けたいスキル」として2017年4月に新入社員を対象に実施したアンケートの結果と今回の結果を比較すると、「傾聴力」や「タイムマネジメント力」を挙げた割合では一般社員、係長・主任、管理職の方が10ポイント以上高い一方で、「プレゼンテーション力」や「専門スキル」を挙げた割合は新入社員の方が20ポイント以上高い結果となりました(fig.2)。

(fig.2)
2. 「傾聴力」や「タイムマネジメント力」について、受け入れ側は新入社員以上に「身に付けるべきだ」と思っている。またそのことについて受入側の役職間に差は見られない
社会人1年目で身に付けたいスキル、新入社員のうちに身に付けておくべきスキルに「傾聴力」や「タイムマネジメント力」を挙げた人の割合をそれぞれ役職別で比較すると、以下のことが分かりました(fig.3) (fig.4)。
- ・ 「傾聴力」を挙げる割合は、新入社員が他の役職と比べて最も低い(24.9%)
- ・ 一般社員から係長・主任、管理職にかけては「傾聴力」を挙げる割合に10ポイント以上の差はない
- ・ 「タイムマネジメント力」を挙げる割合は、新入社員が他の役職と比べて最も低い(26.6%)
- ・ 一般社員から係長・主任、管理職にかけては「タイムマネジメント力」を挙げる割合に5ポイント以上の差はない


3. 「プレゼンテーション力」や「専門スキル」については、受け入れ側が求める以上に新入社員が「身に付けたい」と思っている
社会人1年目で身に付けたいスキル、新入社員のうちに身に付けておくべきスキルに「プレゼンテーション力」や「専門スキル」を挙げた人の割合をそれぞれ役職別で比較すると、以下のことが分かりました(fig.5) (fig.6)。
- ・ 「プレゼンテーション力」を挙げる割合は、新入社員が他の役職と比べて最も高い(25.7%)
- ・一般社員から係長・主任、管理職にかけては「プレゼンテーション力」を挙げる割合に1ポイント以上の差はない
- ・ 「専門スキル」を挙げる割合は、新入社員が他の役職と比べて最も高い(42.9%)
- ・一般社員から係長・主任、管理職にかけては「専門スキル」を挙げる割合に5ポイント以上の差はない


調査結果をまとめると、以下のようになります。
- ・ 受け入れ側は、若いうちはまず傾聴やタイムマネジメントといった汎用的なスキルを身に付けることが必要だと考えている人が多い
- ・ 一方で新入社員は、早い時期にプレゼンテーションや専門スキルといった特定の仕事で求められるスキルを身に付けたいと考えている人が多い
早い時期から専門スキルを身に付け、一日も早く活躍したい・成果を上げたいという新入社員の意気込みが伝わる調査結果となりましたが、新入社員を迎え入れる側の先輩社員からは「まず基礎をしっかり身に付けて欲しい」という声が聞かれました。汎用的なスキルは大切ではないと思っている新入社員はいないと考えられることから、このギャップは「できている」「できていない」という認識のギャップであると捉えることができます。つまり、受け入れ側はまず「できていない」ことを新入社員に伝え、学びの必要性を認識させることが必要と言えます。
評価面談や日々の業務の中で上司が新入社員に適切なフィードバックを行うことで、新入社員は汎用的なスキルが求められているレベルまで身についていないことに危機感を覚えることができます。上司が新入社員にフィードバックする時間を設けていない場合、当社の「Biz SCORE Basic」というテスト受検サービスがお勧めです。「Biz SCORE Basic」では、仕事をする上で基礎となる知識やスキルの現状をテストによって明らかにします。また同年代の平均や以前の結果と比較することで、受検者の強み・弱みを可視化しています。受検したお客さまの88%が、「学習意欲が湧いた」「危機感を覚えた」と回答しており、汎用的なスキルの重要性の認識につながっています。
皆さまの会社では、新入社員が早い段階で汎用的なスキルを身に付けられるような取り組みができていますでしょうか。この機会に、一度振り返ってみることをお勧めします。
【アンケート実施概要】
アンケート名 | 人材育成クイックリサーチ | 2017年新入社員アンケート |
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対象 | Biz CAMPUS Basicの研修受講者 (東京会場で開催の研修) |
Biz CAMPUS Basicの新入社員研修の受講者 (開催地域:東京・横浜・名古屋・大阪) |
時期 | 2017年2月20日 ~ 3月3日 | 2017年4月4日 ~ 4月14日 |
回答数 | 2,807名 | 4,745名 |
調査・研究 一覧
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