「ワーク・ライフ・バランス」管理職になると、理想も仕事優先!?
2017年4月4日
今月は「ワーク・ライフ・バランスの『理想』と『現実』」についてアンケートを実施しました。
- レポートのサマリ
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- 1. 理想は「プライベート優先」8割、しかし現実は「仕事優先」7割
- 2. 役職が上がるにつれて「仕事優先」の現実
- 3. 現実で「プライベート優先」ができているのは係長・主任を除いて女性
1. 理想は「プライベート優先」8割、しかし現実は「仕事優先」7割
回答を集計した結果、「理想」では「プライベート優先」「どちらかというとプライベート優先」と答えた人の割合の合計が78.2%であったのに対して、「現実」では「仕事優先」「どちらかというと仕事優先」と答えた人の割合が70.3%となりました(fig.1)。
2. 役職が上がるにつれて「仕事優先」の現実
役職別に「仕事」と「プライベート」のどちらを優先しているかを見ていくと、「理想」では新人/一般/係長・主任までは「プライベート優先/どちらかというとプライベート優先」と答えた人の割合が約80%となり、管理職になるとその割合は68%と10ポイント近く低くなる結果となりました(fig.2)。
一方、「現実」では役職が上がるにつれて、「プライベート優先/どちらかというとプライベート優先」と答えた人の割合が低くなる結果となりました(fig.3)。
3. 現実で「プライベート優先」ができているのは係長・主任を除いて女性
「役職×性別」別に見ると、「理想」では各役職の割合に男女差はほとんど認められませんでした(fig.4)。
「現実」では、各役職ごとの割合の男女差を見ていくと、新人/一般/管理職では「プライベート優先/どちらかというとプライベート優先」と答えた人の割合が女性に比べて男性が低い結果となりました。その一方、係長・主任では男性に比べて女性が約8ポイント低い結果となりました(fig.5)。
調査結果から考察すると、以下のようになります。
- ・役職が上がるにつれて、仕事に対する責任や業務量が大きくなるために、「現実」では仕事優先となる人が多い。また、管理職になるとより全社目線で仕事を進めていく必要があるために、「理想」でも「プライベート」より「仕事」を優先する割合が高くなっている。
- ・「現実」における、各役職ごとの割合の男女差を見ていくと、係長・主任のみ「プライベート優先/どちらかというとプライベート優先」と答えた人の割合が男性に比べて女性が低い結果となった。これは、係長・主任になるにあたって、男性の場合は「役職は上がったが、プレイヤー業務を中心に、今まで通り働いている」人が多く、女性では「役職が上がり、部下もできたことから、より一層、マネジメント業務も含めて仕事に取り組んでいる」人が多い可能性がある。言い換えると、男性に比べて女性のほうが、プレイヤーからマネージャーとしてのパラダイムシフトが起き、これまで以上に仕事に注力している可能性がある。
【アンケート実施概要】
アンケート名 | 人材育成クイックリサーチ |
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対象 | Biz CAMPUS Basicの研修受講者 (東京会場で開催の研修) |
時期 | 2017年2月6日 ~ 2月17日 |
回答数 | 3,019名 |
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