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オンライン時代の新卒採用戦略と内定者フォローをテーマにWebセミナーを開催

オンライン時代の新卒採用戦略と内定者フォローをテーマにWebセミナーを開催|イベントレポート|組織開発・人材育成

2020.07.31

当社は6月11日と26日、株式会社i-plugと共同で、新卒採用戦略と内定者フォローをテーマにWebセミナーを開催しました。新型コロナウイルスの感染拡大によって、採用計画や採用手法の見直しが求められる中、いかにして学生の選考を行っていくのか、また内定者の育成をどう進めていくべきなのか、計530名の参加者とともにそのヒントを探りました。

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オンライン化が進む採用市場で自社が"勝つ"ための秘訣を共有

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレワークが急速に普及している今。会議や商談といった場だけでなく、新卒採用の現場でもオンライン化が進んでいます。また、採用の手法だけでなく、採用計画の見直しを迫られる企業も増加するなど、新卒採用市場に大きな変化が生まれています。

このような状況の中、人材開発や組織開発を支援する当社には、経営者・人事担当者の皆さまから「オンラインでの効果的な選考方法を知りたい」「オンライン上でどのように候補者の入社意向を高めればよいかわからない」といった声が数多く寄せられています。こうした課題を解決すべく、新卒採用に特化したダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」を提供するi-plugと共同でWebセミナーを開催。i-plug RP部ゼネラルマネジャーの河野慎吾氏、当社コーポレート本部副本部長の服部哲弥が、オンライン化が進む採用市場で自社が"勝つ"ための秘訣や今後の採用動向、内定者の本音を踏まえた内定者フォローの在り方などを解説しました。

"個"を尊重したコミュニケーションに重点を

セミナーの前半では、「Withコロナ時代を生き抜く! 1to1採用とオンライン活用術」と題し、河野氏が新卒採用市場の変化や、変化に対応した採用戦略の立て方などを説明。就職活動を行う学生にとって、リアルでの面談からWeb選考への変更という、「これまでの就職活動のイメージとは全く違う」活動へとシフトしている中、「学生の2人に1人がWeb選考への不満を感じている。中でも、コミュニケーションに関する不満を感じている学生が多い」という調査結果を報告。一方で、「励ましのメッセージや丁寧な連絡のほか、面接のフィードバック、さらには自身のキャリアを一緒に考えてくれる面談の実施が嬉しかったこととして挙げられている」、つまり一人ひとりに寄り添ったフォローを学生が求めていることから、 「これまで以上に"個"を尊重したコミュニケーションに意識的に取り組んでいく必要がある」との考えを示しました。

また、「誰を採りたいのか?」「どう会うのか?」「どう見極めるのか?」「どう惹きつけるのか?」という採用のフレームワークにおいて、「Web選考でコミュニケーションが取りづらくなっている中、学生一人ひとりに寄り添った、個別最適化された"惹きつけ"が必要になる。"惹きつけ"に時間を割くには、誰を採りたいのか、どう会うのか、どう見極めるのか、この"母集団形成"の部分を効率化しないといけない」ことから、その実現法として、興味のある学生に企業から直接オファーする"ダイレクトリクルーティング"の有効性に着目。「従来のエントリー(=不特定多数を集める、書類審査)、1次選考(人物像の判断)といった工数を軽減でき、2次選考に到達するレベルの学生と最初から会える」、すなわち「母集団形成を効率化できる」というダイレクトリクルーティングの利点を活かしながら、「"今学生が求めていること"にしっかりと時間を使ってほしい」との熱い思いを伝えました。

そのうえで「"入社"がゴールではなく、入社後の"活躍"がゴール。採用だけでなく、採用と育成をセットで考えるという戦術も意識してほしい」と語りかけ、前半を締めくくりました。

内定者フォローのあるべき姿は"組織社会化"の支援

セミナーの後半は、当社の服部が「採用と育成」の育成に当たる内定者フォローについて、"内定者の本音"調査などをもとに解説しました。服部は、「ほとんどの学生が内定期間中に不安を感じており、半数以上の学生がマナーや仕事の進め方など、社会人の基礎を教えてほしいと望んでいる。これは、『内定期間から学ばなければならない。だけど何から学べばいいのかわからない』という不安の表れではないか」と推測。一方、企業側に目を向けると、「内定者フォローの必要性を感じているものの、その工数が足りていない」という実態から、内定者と企業双方の不安・課題をどう解消していけばいいのか、そのヒントを共有しました。

その中で、内定者フォローの目的を、「内定承諾辞退の防止と捉えている企業が少なくない」ことを取り上げ、「内定承諾辞退防止が目的になると、そもそものゴールが"入社させること"になってしまい、入社したら終わり、入社後は配属先にバトンタッチして、そこから育成してね、となってしまう。内定期間にしっかりトレーニングすることで、新入社員が新しい組織に適応するための下地をつくる。つまり"組織社会化*1"を図るためのアプローチこそが内定者フォロー」と、そのあるべき姿を力説。入社後に活躍しやすい環境にするため、「配属後教育と配属前教育、内定者育成を分断して考えるのではなく、それぞれを"線"でつなげ、ゴールから逆算した育成の仕組みをつくる必要がある」との考えを示しました。

また、内定者フォローの大枠として、「トランジション・サポート」と「同期との絆の強化」をピックアップ。「トランジション・サポートとは、学生から社会人という"階段"(=トランジション)のバリアフリー化をサポートしてあげること。マインドセットとスキルトレーニングを内定期間中から行うことで、トランジションを乗り越えるサポートをしてあげる必要がある」と、その意義と重要性を強調しました。また、「内定期間中は現場社員とのコミュニケーションを取る機会が少ない」ことから、「採用の段階から現場を巻き込み、先輩社員の考えや仕事への取り組み方をコミュニケートする。そうすることで、うまく社会人になれそうだという発想を持ってもらいやすくなる」といった当社の取り組みをもとに、内定者フォローの有効な進め方も披露しました。

*1 組織社会化:新入社員が、企業という新しい社会に「なじむ」「慣れる」過程のこと。新しい組織で求められる「立ち居振る舞い」や「スキル・知識」の獲得といった要素がある。

全社を巻き込んだ採用・育成の在り方をデザインする必要性

最後に行われた河野氏と服部のQ&Aセッションでは、オンライン化がもたらした採用・育成の変化や今後の動向などについて意見交換。

「採用と育成をセットで考えることにつきる。(今日のセミナーのように)オンラインで相手の反応が見えない状況では、この状況を解決していくことが大きなポイント。『入社後のことまできちんと考えている』『なんで君が必要なのか』といった惹きつけを、今まで以上に注意深く、意識しながら実施していくことが必要」(河野氏)

「仕事の内容だけでなく、昨今の状況をどういう風に乗り越えていくのか、また企業としての強みや課題はどういったところにあるのか、そういったことに対し、『より強みを伸ばしていってほしい』『こういうことを変えていってほしい』というメッセージの発信が、採用においても育成においても、惹きつけ、動機づけという意味で非常に大事になってくる」(服部)

と、採用と育成をセットで考えることの重要性を繰り返し説くとともに、「オンラインにシフトしたことで、地域間、部門間といったコミュニケーションの垣根が取り払われたと感じている。全社を巻き込んだ採用・育成の在り方をデザインしていくことが求められるのではないか」(服部)と述べ、セミナーを締めくくりました。

新型コロナウイルス感染症の終息が見通せず、先行きが不透明な状況が続く中、新卒採用だけでなく、テレワークの継続的な実施による働き方の変化などによって、人材開発や組織開発の面でも様々な課題が浮上しています。当社では今後も、Webセミナーやオンラインイベントなど通じ、企業の皆さまが抱える課題の解決や不安の解消をサポートしていきます。どんなに小さなお悩みでも、どんどんお寄せください。

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