アンガーマネジメントとは?考え方や実践方法を紹介|コラム|人材育成・社員研修

「小さなことでイライラする…」「怒りに任せて相手を傷つけてしまった…」 コロナ禍における環境変化のストレスも相まって、怒りの感情のコントロールに悩む方は増えているのではないでしょうか。この記事では、怒りと上手く付き合う「アンガーマネジメント」について、考え方や具体的な実践方法を紹介します。

アンガーマネジメントとは?考え方や実践方法を紹介|人材育成コラム_3

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントは、怒りの感情と上手く付き合うための心理トレーニングです。
もともとはDV加害者や軽犯罪者に対する矯正プログラムとして、1970年代にアメリカで開発されたといわれており、今では広く一般的に使われています。

ビジネスの現場においては、職場環境の改善や業務パフォーマンス向上のために、アンガーマネジメントの手法を取り入れる企業も多くなりました。
特に部下を持つ管理職には「怒りの感情を適切にコントロールできる力」が求められるため、管理職向けのアンガーマネジメント研修を実施するケースも多くあります。

ではアンガーマネジメントは実際どのように身につけられるのでしょうか。アンガーマネジメントの考え方や、すぐにできる実践方法を紹介していきます。

「何をされても怒らない人=アンガーマネジメントができている人」ではない

アンガーマネジメントができている人と聞いて、どんな人を思い浮かべますか?いつも穏やかで何をされても怒らない人をイメージするかもしれませんが、これはよくある誤解です。

大前提としてお伝えしたいのは、怒りの感情は決して悪いものではないということです。危険から自分の身を守るために必要な、誰もが自然に持っている感情です。一番よくないことは、その怒りの感情を抑え込んで向き合わないことなのです。

アンガーマネジメントの目的は「怒らないようになること」ではありません。「あんなに怒らなければよかった」「もっと怒っておけばよかった」など怒りの感情で後悔をしないことが目的です。

このように怒りの感情と上手く付き合っていくためには、生じた怒りを上手に扱うことに加え、普段からの自分の意識を変えていくことが重要です。

そのためにも、まずは怒りのメカニズムを知り、自分の傾向を正しく認識することから始めましょう。

怒りのメカニズムを知って、自分の傾向を正しく認識する

そもそも、怒りをはじめとする感情はどのように生まれるのでしょうか。
感情が発生するメカニズムを紐解いていきましょう。

  • 感情はコントロールできる?

例えばあなたが、「後輩が30分遅れて出社してきた」という場面に遭遇したとします。この時どのような感情を抱くでしょうか?
もしもその後輩が日ごろから態度が悪く、過去に迷惑をかけられたにも関わらずちゃんと謝罪されなかった経験があったとすると、「30分も遅れてきて何してるんだ」と怒りの感情が湧いてくると思います。一方で、それが日ごろから頑張っている後輩で、前日に体調が悪い中遅くまで仕事している様子を見ていたとすると、不安や心配などの感情が先行するのではないでしょうか。

このように感情とは、ある事象が起こったから湧き上がるのではなく、その事象に対して自分が「意味づけ」を行うことで発生するものです。同じ場面に遭遇しても全員が同じ感情にならないのは、この「意味づけ」が人それぞれ異なるからです。

感情発生メカニズム
感情発生メカニズム

発生する事象をコントロールすることはできませんが、事象に対する「意味づけ」は自分の中で完結するためコントロールができます。即ち、感情もコントロールできるのです。

  • 怒りが生じるのはどんな時?

では、怒りの感情はどのようなときに生まれるかというと、自分の願望・期待とギャップが生じ、思い通りにならなかったときです。

願望や期待は、「~するべき」「~であるはず」という価値観とも言い換えられます。
先ほどの例を取り上げると、「特別な事情なく、会社には遅れるべきではない」+「態度が悪い後輩のことなので、特別な事情などないはずだ」といった自分の中の価値観が先行した結果、怒りが発生していると考えられます。

この「べき」「はず」は人によって異なるため、まずは自分の中で当たり前に持っている価値観を認識することが必要です。 その上で価値観の許容範囲を広げていくことが、不要な怒りを生じさせないポイントです。

  • あなたの怒りは何タイプ?

自分の中の「べき」「はず」を認識するとともに、自分の怒りのタイプを知ることも重要です。どのような場面でどのような怒りが表れやすいのか、人それぞれ傾向があると言われています。日本アンガーマネジメント協会が公表している怒りのタイプでは、以下の6つに分類されます。

  • ・曲がったことが許せない「公明正大タイプ
  •    
  • ・何事も白黒つけたい完璧主義者な「博学多才タイプ
  •    
  • ・自分を曲げない頼れるリーダー「威風堂々タイプ
  •    
  • ・穏やかな外見の中にも譲れない信条がある「外柔内剛タイプ
  •    
  • ・用心深く衝突を避ける「用心堅固タイプ
  •    
  • ・思ったことをストレートに表現する「天真爛漫タイプ

以下サイトから無料で診断できるため、ぜひ参考にしてみてください。
参考:無料アンガーマネジメント診断|日本アンガーマネジメント協会

アンガーマネジメント実践!怒りを抑える方法5選

自身の傾向を把握できても捉え方を変えるのは難しく、長期的なトレーニングが必要です。
ここからは、すぐに実践できる怒りの抑え方をお伝えします。

怒りを抑えるポイントは、心の中に生じた怒りの感情をストレートに態度・行動に表さないことです。怒りが継続するピークは「6秒間」といわれています。この6秒の間に行動すると、どうしても感情的な言葉や態度になってしまい、過度な怒りをぶつけてしまいます。逆に言えば、この6秒が過ぎてしまえば大抵の怒りは落ち着くのです。

以下に、怒りが発生してからの6秒間をやり過ごすテクニックを紹介します。

  • ① 思考を停止させる(ストップシンキング)

怒りを感じた瞬間に、すべての思考を止める方法です。心の中でストップ!と呼びかけ、真っ白な何もない空間を思い描きます。思考を強制的に断ち切ることで、怒りの連鎖を防ぐことができます。

  • ② 心の中で怒りが和らぐ言葉を唱える(コーピングマントラ)

怒りが収まる魔法の言葉を、心の中で唱える方法です。「大丈夫」「たいしたことないな」「明日には忘れるだろう」など、自分が落ち着けそうな言葉をあらかじめ用意しておきます。好きな食べ物やペットの名前など、気持ちが落ち着く言葉であれば何でも大丈夫です。心を落ち着かせることで、冷静に対処できるようになります。

  • ③ 怒りを数値化する(スケールテクニック)

怒りの度合いを、10段階評価などで数値化する方法です。数値化することに意識が向くことで、自分の怒りの感情を客観的に見ることができます。数値化した結果、実はたいした怒りではなかったと気がつくこともあります。

  • ④ まったく別のものに意識を向ける(グラウンディング)

怒りが生じたことに気づいた瞬間に、まったく関係がない別のものに注目し、意識をそらす方法です。例えば手元のマウスの色や形状に思考を巡らせてみたり、手のひらの皺の数や長さを観察してみたりと、思考を別の方向に
変えることで、怒りの感情から距離を置くことができます。

  • ⑤ 仕切り直し(タイムアウト)

①~④のテクニックを用いてもどうしても怒りが収まらない時は、その場を仕切り直すことが有効です。「15分席を外させてください」「一度解散し、後日改めてお時間いただけますか」など、時間を置くことで冷静さを取り戻す方法です。怒りが収まらない時には無理に続行せず、仕切り直しましょう。

いかがでしたでしょうか。どれも意識さえすればすぐに取り組めるものなので、自分の許容範囲を超えて怒りが生じてしまった時には、ぜひ実践してみてください。

一人ひとりがアンガーマネジメントを身につけ、よりよい職場環境をつくろう

アンガーマネジメントを身につけ、怒りの感情と上手く付き合うことができると、人とのコミュニケーションがスムーズになります。 怒りは周囲に伝播する性質も持っているため、周囲の人にも悪影響を及ぼします。一人ひとりがアンガーマネジメントを身につけることは、職場環境の改善にも大きく貢献します。

当社でも、アンガーマネジメント研修をはじめとした企業内研修を取り扱っておりますので、ご興味ある方はぜひお問い合わせください。会場/オンラインどちらにも対応しております。

対象別の育成ポイント

コラムランキング

社員一人ひとりにどんな課題があるかわからない・・・まずは診断テストで社員の課題を可視化してみませんか?

コラムランキング
コラム / 事例
階層別の情報を見る
人材育成メールマガジン

人材育成に関するノウハウやお役立ち情報、研修情報をお届けいたします。

お問い合わせ

(受付時間:平日9:00~17:30)

お問い合わせする