内定者研修のコツとは?企業と内定者の信頼関係を築こう!

published公開日:2022.08.03
目次
社会人として、まだ右も左もわからない新卒に向けて「内定者研修」を行う企業は多いでしょう。しかし、「研修目的が不明瞭」「内定者の知りたい内容に沿えていない」ような研修は、内定辞退を招きかねません。
改めて内定者研修の目的や研修のポイントを知り、会社の未来につなげていきましょう。
本コラムでは、内定者研修で伝えるべき基本的な内容についてまとめました。

内定者研修とは

本格的な仕事をスタートする前に行われる内定者研修。会社の方針を理解してもらい、即戦力となる土台をつくりたい企業、自分が所属する会社の情報を知り不安を取り除きたい内定者、双方にとって有効な研修です。

内定者研修は、「ビジネスシーンにおける知識や心構えを事前に知ってもらう」「内定辞退を防ぐ」といった目的で行われます。研修を通していかに社会人としての土台づくりを行えるかが重要です。

内定者研修を実施する時期

内定者研修の多くは、内定式以降に行われます。内容は、親睦会や会社説明会、業務研修などです。

開催時期としては、内定式後の10月~11月や4月入社に合わせて2月~3月など、企業によっても異なります。ただ、1度だけではなく内定者との定期的なコミュニケーションのため複数回実施されることが多いようです。

内定者研修の形態

内定者研修は、研修形式、オンライン、eラーニング、などで行われます。

研修形式は、会場を用意して内定者を集めて実施されます。グループワークや体験型研修に向いている形態です。企業によっては、遠隔地から入社する内定者がいたり、近年では新型コロナウイルスの影響などで一同に集まることが難しい場合もあります。その場合は、オンラインを活用して研修や親睦会を行うケースもあります。

eラーニングはインターネットを介して講義形式で行われる研修。講義用の教材を用意しておけば、内定者が空いた時間で受けられ、進捗管理もしやすいのが特徴です。

どれか1つの形態ではなく、研修の内容や目的によって各形態を使い分けることもあります。

研修以外のフォロー

仕事やビジネスマナー、ビジネススキル等の研修だけでなく、親睦会や座談会などを開いてコミュニケーションをとることも。メールやSNSで相談を受けつけたり、入社前に短期のアルバイトとして働いてもらったりというフォロー方法もあります。様々な方法を組み合わせながら、入社までに信頼関係を構築し、スムーズに職場に馴染めるようにしましょう。

内定者研修を行う目的

内定者の不安や悩みを解消する

内定者にとって採用されたことはスタートにすぎません。採用されたから安心ではなく、「この会社でキャリア形成できるのか」「自分のライフスタイルに合った働き方ができるのか」など不安を多く抱えています。

内定者研修は、内定者の不安や悩みなどにダイレクトに向き合う場。そこで、事業内容を説明して疑問を解消したり、採用担当者と話し合うことにより安心して仕事の本番を迎えやすくなります。

即戦力として活躍できるようにスキルを身につける

内定者研修は、本格的な業務に入る前の準備でもあります。その期間中に業務の予行練習を行えば、本格的に業務が始まった際に戸惑うことなく仕事をしてもらえるでしょう。

企業によっては、会社独自のツールを使用している部署もあるでしょう。入社当日を迎えるまでにツールに触れさせておくことで、入社後の説明が少なく済みます。

内定辞退を防止する

内定者の大半は、これから社会に出て働くことや社内の人間関係・キャリアアップなど、様々な不安を抱えているものです。

現代は転職が当たり前の世の中。会社への帰属意識は低い傾向にあります。つまり、内定者が思っている疑問や不安を解消できない研修では、内定辞退もあり得るのです。

内定者研修は、ネガティブ思考に陥りやすい内定者をフォローする役割を担っています。先回りして不安要素を除去し、内定辞退の防止に努めましょう。

社会人としての意識をつくること

学生気分が抜けないまま社会に出てしまい、上司や先輩社員、お客様に迷惑をかけてしまうのはよくある話です。内定者研修を行うことで、社会人にふさわしい振る舞いを教えることができます。研修で、「どのような社会人になっていきたいか」と未来のイメージを構築できれば、働く意欲を高められるでしょう。

学生から社会人になるために思考をアップデートさせるとともに、仕事意欲を高めることに対しても内定者研修は有効です。

内定者同士の絆を深める

内定者研修の中には、内定者同士でグループをつくって1つの課題に挑戦する、という内容もあります。

チームワークを重んじながら仕事を完遂するという経験を研修段階で積むことによって、実際の職場でもスムーズな行動がとれるでしょう。

また、ただの同期ではなく「一緒に課題を乗り越えた仲間」として、信頼関係を築くことができるため一緒に仕事をするモチベーションも上げられます。

会社が目指してほしい人材像の理解

研修や親睦会などを通して、内定者には会社がどういった人物を求めているかを伝えましょう。お手本として、実際に活躍している社員と話をしてもらう方法もあります。

目指して欲しいものが何なのかがわかると、そこに向かっていけばよいと理解し、目標がブレにくくなります。すると、モチベーションも維持しやすく、意欲を持って働いてくれるようになるでしょう。

内定者研修の内容

では、内定者研修とは具体的にどんな内容で行うのでしょうか。

社会人としての心構え

学生の価値観と社会人の価値観は大きく異なります。アルバイトと正社員では仕事に対する責任の大きさが違うように、学生と社会人も同様に仕事への責任が変わってきます。

しかし、「社会人になったのだからすぐ切り替えて業務にあたってくれ」というのは酷な話です。また、「人間関係」も、学生のうちは自分と気の合う人と一緒にいても問題ありません。ですが、社会人になると、メンバーの相性問わずチームとして成果を出す場面があります。このように、本格的な社会人生活が始まる前に、学生の価値観から社会人の価値観にアップデートすることで、入社後はスムーズに業務に入れるでしょう。

基本行動の習慣化

挨拶・身だしなみ・席次・宴席でのマナーなどのビジネスマナーも内定者研修に必要です。挨拶や身だしなみといった普段の生活から関わる部分については、就職活動時に学んでいる学生も多いでしょう。

しかし、職場の上司やと取引先を交えた宴会や席次のマナーを学生のうちに身につけるのは、なかなか難しいもの。実際の現場で失敗してしまうと本人のマナー意識だけでなく、会社全体の印象にもつながってしまいます。そうならないためにも、口頭や図解だけでなく、いろいろなケーススタディをロールプレイングしてみるとよいでしょう。

機密情報などの取扱いについて

現代ではインターネットで気軽に情報を流したり取得したりできるようになりました。そのため、ネットリテラシーの重要性を知らない場合があります。

SNSも盛んな現代。これからの入社してくる新卒は、Twitter、Instagram、Facebookなど何かしらのメディアを利用している可能性は大いにあります。

自分の仕事で得た情報や会社独自の情報をインターネットに載せてしまう危険性を、しっかり伝えましょう。

会社の仕組みや組織図について

内定者は就職活動時に、ある程度は自社の事業の内容や理念などを調べているはずです。しかし、詳しい組織体制や事業内容など、実際に勤めないとわからない部分もあるでしょう。

自社の組織図や部署と仕事内容を教えることにより、内定者は自分が働いたときのイメージがしやすくなります。

内定者研修の注意点

ここからは、内定者研修を行ううえでの注意点をまとめています。これまでの実施内容を振り返って、もし当てはまっているようでしたら改善していきましょう。

短期目線にならない

研修をただ行うだけでは、内定者に「辞退させないように縛っているのでは?」という不安を感じさせてしまいます。課題に取り組んでもらう際には「どんな目的があるのか・どんなゴールに向かってほしいのか」を伝えましょう。

そうすることで、企業側の考えと内定者の考えにすれ違いが起きにくくなり、お互いにとって有意義な研修になります。また、目標から逆算して、今やるべきことや足りないことを自覚させ、自主的に課題に取り組むように促します。

会社の希望のみを反映させた課題でなく、「早く仕事を覚えて役に立ちたい」といった、内定者の成長意欲を刺激できる課題が理想です。

一方的にならないこと

会社の即戦力として、教えたい項目はたくさんあるでしょう。しかし、内定者に考慮した研修内容にするのも大事です。自社の考えや求める行動を押し付けるだけの研修は、内定者の仕事意欲を下げてしまいます。内定者のニーズに合う研修内容を構築するには、社歴の浅い社員にインタビューするのがおすすめ。「内定研修時に会社のココを深堀してほしかった」という気持ちは、今回の内定者も同じ気持ちになる可能性が高いためです。

また、より意義のある内定者研修にするためには、「アウトプット(実践)」の機会を設けることも重要です。アウトプットの手法として、内定者同士でチームを組んで課題に取り組むグループワークの実施、ビジネスマナーや文書の書き方を実践してもらうロールプレイングなどがあります。

課題量は内定者に負担をかけない程度に

企業目線だと忘れがちですが、内定者が本格的に会社の一員になるまでの間は「最後の学生期間」でもあります。卒業研究に励む者もいれば、卒業旅行やその他趣味など、自分の時間を大切にしたい方も多いのです。

残り少ない学生期間をひっ迫するほどに多い課題は、精神的・肉体的負担を感じさせてしまいます。「働く前からこんなに大変だと、働いたらどうなってしまうのだろう」と不安を抱かせる要因にもなるでしょう。

入社式までに課題に取り組んでもらう場合は、内定者の残りの時間も尊重したうえで調整しましょう。

きめ細やかなフォロー

課題や研修に取り組む内定者に対して、きめ細かなフォローを入れましょう。わからないところは無いか、行き詰まっていないかなどを、直接聞き取ったり、メールやSNSで聞いたりしてフォローします。質問に答えたり、わからないことを一緒に考えたりと、内定者が研修を進められるようにしましょう。

細かなフォローを入れることで「困ったことがあっても対応してもらえる」と言う安心感を与えられます。

最後に

ここまで、内定者研修の目的や盛り込むべき内容、また注意点についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?

やるべきことは理解した、とはいえ「研修にかけられるリソースが限られている」「効率的な研修の仕方がわからない」と、自社のみでの研修実施の限界に悩む方もいるでしょう。

その際は、ぜひ約13,000社以上の人材育成や社員研修を支援してきたALL DIFFERENT株式会社にご相談ください。

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