中小企業向け | 働き方改革(残業時間削減)実現のポイントとは

2019年4月から働き方改革関連法が順次施行され、時間外労働の上限設定がされている中、具体的にどのように残業時間を削減していけば良いのかが不明という企業も多いことでしょう。
本コラムでは、自社独自の働き方改革実現のためのアクションを検討する際のヒントをご提示します。

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目次

中小企業はどのように残業(時間外労働)時間削減に取り組めば良いのか

働き方改革関連法が2019年4月1日より順次施行されている中、人手不足が原因で残業などが多くなりがちな中小企業においては、なかなか働き方改革実現のための具体的なアクションを起こせていないのではないでしょうか。

厚生労働省の特設Webサイト※1には、中小企業が働き方改革を進めるための法改正として以下3つが挙げられています。

  • 1.年次有給休暇の時季指定
  • 2.時間外労働の上限制限
  • 3.同一労働同一賃金

※1 参照:厚生労働省 働き方改革特設サイト

特に2.時間外労働の上限制限は、残業時間の上限は原則として月45時間・年360時間まで、違反すると罰則があるという厳しいものです。

そこで本コラムでは、中小企業各社がどのようにして残業(時間外労働)時間を削減しているのかをご紹介します。

働き方改革(残業時間削減)を実現している中小企業の視点

働き方改革を実現するためには、他社が行っているやり方をそのまま真似るのではなく、以下のような視点で、自社独自の改革の仕方を考えてみることをおすすめします。

お客様にやっていただけることはないか?

日本人の美徳の一つとして、「おもてなし」があります。お客様や相手にはできるだけ動いてもらわず、こちらが積極的に動く、というものです。 働き方改革を実現している企業は、おもてなしとは逆の視点で、「自分たちが行っていることをお客様に行っていただくことはできないか?」を考えているようです。

例えば、

  • ・見積もり作成はサービス提供側が行う
  •  →ウェブ上でお客様のご要望を選択していただくと、自動的に見積もりが計算される

  • ・ホテルや旅館にチェックインしたお客様の荷物は、ホテルスタッフがお部屋まで運ぶ
  •  →荷物はお客様の手でお部屋まで運んでいただく

  • ・飲食店で料理やドリンクはスタッフがお客様の席まで運ぶ
  •  →お代わりのご飯や飲み放題のドリンクはお客様が好きな量を入れて自ら運んでいただく
などです。これらのやり方を取り入れ、お客様に動いていただくことができれば、かなり業務工数を削減できそうですね。

業務を効率化/簡略化できないか

「いつかお客様からご発注をいただく可能性があるから」と多品目のサービスメニューや商品を提供できるように準備をしたり、「お客様に失礼にあたるから」と対面や紙ベースでのコミュニケーションを重視したりすると、その分在庫リスクを抱えたり業務効率が落ちたりすることがあります。

例えば、

  • ・提案書/見積書/契約書などを全て紙ベースで提示
  •  →提案書や見積書などはPDFでメール送信、契約書はクラウドで締結

  • ・居酒屋で全100種類のメニューを提供
  •  →できるだけ同じ食材を使って作れる料理全40種類に絞ってご提供。仕込みも簡略化

  • ・金属部品の加工工場で、作業担当者が毎回研磨の設定数値を手で入力
  •  →使用頻度の高い7種類の研磨数値をボタン一つで選べるようにプリセット
などの工夫をしている企業があります。

残業時間削減がスタッフのモチベーションにつなげられないか

「働き方関連法が施行されたから残業時間を少なくしてくれ」と経営者が言っても、現場のスタッフからは反発が多く起こるでしょう。でも「残業を少なくしてくれたら皆に還元するよ」と言えば、スタッフのやる気が上がるかもしれません。

例えば、

  • ・残業者には残業代が支給され、効率的に業務をこなす人にはメリットがない
  •  →残業が月間10時間以内の従業員には3万円を支給。部署全体でも規定時間数以内ならばインセンティブ発生

  • ・残業時間を減らしても手取りが減るだけでメリットを感じられない
  •  →全社の前年度残業代を全員に公開。同額を残業時間削減のインセンティブに充て、残業を少なくすればするほど自分に還元される喜びを感じさせる
などをすれば、全員が喜んで残業時間削減のために動いてくれることでしょう。

17時を過ぎたら帰るのが当たり前、の雰囲気づくり

日本のIT系企業で働く外国人が最も驚くことの1つが、「日本人は始業時刻や会議の開始時刻には厳しいのに、業務や会議の終了時刻を守らない人が非常に多い」ということだそうです。

例えば、

  • ・会議終了時刻が来てもしゃべり続けるのが当たり前
  •  →時刻を過ぎても会議を終えられない責任者にはイエローカードを提示。累積2枚でペナルティ

  • ・終業時刻になっても何の合図もない
  •  →アップテンポのBGMを大音量で流す、照明を極端に暗くする、パソコンに警告画面をポップアップさせる

  • ・上司がまだ会社に残っているから先に退勤しづらい
  •  →取締役や部長など、役職の高い人ほど率先して先に帰り、社内に残るのが逆におかしいという雰囲気を作る
など、ダラダラ仕事や会議を続けるのではなく、目標時刻を定めてそこまでに必ず終わらせるのが当たり前、という風土を作ることも重要です。

厚生労働省の「時間外労働時間削減の好事例集」※2には、企業がどのように時間外労働時間削減のために動いているのか、がまとめられています。なお、事例集によると業界を問わず、多くの企業で残業の事前申請をルール化しています。

※2 参照:厚生労働省 時間外労働削減の好事例集

こちらのコラム(働き方改革 | 残業時間削減のための工夫と成功事例)にも、残業時間を削減するためのヒントが掲載されているのでぜひご参照ください。

中小企業は、大手企業に比べて経営資源に乏しいことが多いでしょう。一方、意思決定や改善のスピードは、大手企業に負けずにスピーディに行える、という側面もあるはずです。

働き方改革は、法律で定められているから行うものではありません。

慢性的に人手不足が発生しやすい中小企業においては、職場環境を改善して「魅力ある職場づくり」をすることが、人手不足解消につながります。また、今回ご紹介したような残業時間削減のための工夫を実践し、生産性を向上することができれば、より高い賃金を支払うことが可能となり、経験値や能力の高い社員の入社にもつながることでしょう。

「魅力ある職場づくり」→「人材の確保」→「業績の向上」→「利益増」の好循環をつくるため、「働き方改革」を進め、より魅力ある職場をつくりましょう。

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