企業価値を上げるリカレント教育とは?

IT分野の技術向上や労働環境の変化が激しい現代において、学び直して技能を得る「リカレント教育」の必要性が高まっていることをご存知ですか。リカレント(recurrent)は「再発する」「周期的に起こる」「循環する」という意味の英単語。そこに「教育」がつくことで、「再び学ぶこと」「学び直すこと」という意味になります。

リカレント教育とはどういったものかに加え、企業が導入するメリット、企業や労働者が利用できる制度などについて解説します。

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企業価値を上げるリカレント教育とは?|人材育成コラム_3
目次

リカレント教育とは何か

リカレント教育を端的に言えば「学び直し」です。就職後に仕事で必要な技能を身につけるため、学校や講座などに通って学ぶことを言います。

また、一生を通して学んでいく点で生涯学習と類似点がありますが、生涯学習が生きがいや趣味的な要素を含む一方、リカレント教育は仕事のためにのみ行う学習であることが特徴。新たに学ぶことで、職能スキルの向上が図れる・転職に有利になる点がメリットです。

欧米のリカレント教育との違い

欧米でのリカレント教育は、就業と復学を繰り返して学ぶスタイルを指します。働きながら学ぶのではなく、働くときは働き、学ぶときは学ぶ方法です。対して日本では、仕事をしながら学習することを指しているケースがほとんどです。

リカレント教育が注目される理由

人生100年時代や早期リタイアのFIREムーブメントなどにより、自身のキャリアパスをより明確にする必要がでてきています。そのためには、仕事上でのスキルアップや新しい技術の習得は不可欠です。

さらには、AIによる仕事の変化やICT化への対応、SDGsやグローバル化などに対応できる社員・従業員こそが、企業をより成長させ守ることにつながります。そうした背景からも注目が集まっているのです。

従業員の定着や確保につながる

リカレント教育を取り入れることで、独立や退職などを想像するかもしれません。しかし、スキルを得た従業員は所属企業で、今まで以上の成果を出し、収入アップやキャリアアップが望めるため、定着率が高まります。また、学び続けられる環境があると評判が得られれば、就職希望者も増えるでしょう。そうした意味でも、企業が取り入れるべき制度・考え方として広がりを見せているのです。

企業がリカレント教育を取り入れるメリット

業績の向上が期待できる

リカレント教育により獲得した最新の知識や技術を現場の業務に活かすことで、これまでとは異なる仕事の進め方の発見につながります。その結果、個々の従業員の業務効率向上や、新たなサービスの開発、しいては企業の業績向上につながるでしょう。

また、学習をしなかった人と比較すると、学習した人は、2年後に約10万円、3年後で約16万円も年収が上がることが内閣府の調査で報告されています。年収が上がれば、業務へのモチベーションが上がり、より業績の向上が期待できるでしょう。

参照:内閣府「第2章 人生100年時代の人材育成」

人材の確保が可能

企業側がリカレント教育を取り入れることで、従業員はその会社で働きながらキャリアパスを形成できます。
その結果、人材の流出を防ぎ、人手不足の解消が期待できるでしょう。
また、定年後の再雇用やシニア職員に対しても活躍の場を提供できるため、豊富な人材を自社にとどめておけるようになります。

女性従業員のキャリア形成のサポートになる

女性のキャリア形成にもリカレント教育は役立つでしょう。日本は男性に比べ、女性の平均年収がまだまだ低い傾向にあります。結婚・出産・育児・介護など、ライフステージの変化によって女性が抱える負担割合はまだまだ大きいのです。

そうした中でも働き続けるために、リカレント教育が役立ちます。新たに獲得した技術や知識によって配置転換が可能になり、今までとは別の業務で活躍するチャンスを企業が与えられるためです。

また、産休や育休により長期間にわたって業務を離れていた従業員にリカレント教育を実施することで、復職後でもスムーズなパフォーマンス向上が期待できます。

リカレント教育で学べる分野

リカレント教育では、以下の分野や内容を学ぶことができます。

  • 語学|英語・中国語など
  • IT関連|セキュリティ・言語・システム構築など
  • 介護・福祉|管理栄養士・看護職など
  • 地域発展|観光・農業・土木など
  • ビジネス|経営学・会計・法律・マーケティングなど
  • 学習の場は大学や専修学校などのほか、企業への派遣講師などもあります。リカレント教育には、より高い技能の習得を目指すタイプのほか、再就職支援に重きを置いているタイプなど多彩です。そのため、ニーズに合わせて選択できます。

    事業主側が利用できる助成金やサポート

    人材開発支援助成金

    人材開発支援助成金は、企業が従業員のキャリア形成のため職業能力開発に取り組んだ場合に、その経費や賃金の一部を助成するものです。障害者職業能力開発コースを除き、訓練の対象者が訓練開始時から終了時までの間に雇用保険の被保険者であることが条件となります。

    職務に関連した専門的な知識や技能を獲得させるための職業訓練、教育訓練休暇制度を適用した雇用保険適用事業所の事業主に対して支払われます。

    事業主は、訓練計画を都道府県労働局へ提出します。その後、訓練を実施して2か月以内に受給申請し、審査に通れば助成金が受給されるというのが、申請から受給までの基本的な流れです。

    その他、特定分野の訓練を行う「生産性向上支援訓練」もあります。

    企業内のキャリアコンサルティング(セルフ・キャリアドック)

    セルフ・キャリアドックとは、企業が従業員にコンサルタントによるキャリアコンサルティングやキャリア研修を受けさせる仕組みのこと。従業員が自身の仕事内容やキャリアを主体的に見直すことが目的です。厚生労働省委託事業としてキャリア形成サポートセンターが実施しています。

    労働者が利用できる給付金やサポート

    労働者が利用できる制度には、「教育訓練給付金」「高等職業訓練促進給付金」「キャリアコンサルティング」「ハロートレーニング」などがあります。事業主が利用できる助成金やサポートの内容と合わせて把握しておくと良いでしょう。

    リカレント教育を取り入れて企業価値を上げよう

    情報技術の目覚ましい進歩や転職も当たり前になるなど、雇用の流動化による労働環境の変化により、リカレント教育の必要性が高まっています。

    企業においては、リカレント教育を取り入れることにより従業員の能力が向上し、業績アップが期待できます。また、労働人口が減少する中であっても、人材の確保が可能です。今こそ、リカレント教育を導入することによって、企業価値を高めましょう。

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