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導入事例_2

ソフトウェアサービス様
「象徴となるチームを立ち上げ、女性が輝く会社へ」

ソフトウェアサービス様
「象徴となるチームを立ち上げ、女性が輝く会社へ」|事例

株式会社 ソフトウェアサービス 様
株式会社 ソフトウェアサービス 様
							|ソフトウェアサービス様「象徴となるチームを立ち上げ、女性が輝く会社へ」|事例_3
従業員数
:230人(2016年11月時点)
主要業務
:アプリケーション開発、システム基盤構築、セキュリティサポートなど
キーワード
:全社を巻き込んだ推進活動
|ソフトウェアサービス様「象徴となるチームを立ち上げ、女性が輝く会社へ」|事例_3
須藤リーダー、添田社長、田島部長に話を伺いました
左から須藤リーダー、
添田社長、田島部長 

女性が輝く環境づくりを目指し、タスクチームを立ち上げたソフトウェアサービス。タスクチームのメンバーを中心に全社を巻き込み取り組んだ結果、「リーダーを目指す女性が増えた」「働き方について話し合う機会が生まれた」など、女性活躍に限らず、職場改革の実現に少しずつ近づいているようです。添田新太郎社長、田島義雄システムサービス事業部長、タスクチームのリーダーを務める須藤麻衣さんに、同社の女性活躍推進の位置付けや取り組みを伺いました。(以下、敬称略)

始まりは、社長による“女性が輝くSS”宣言

Q. 女性活躍推進に取り組むタスクチームを発足させたと伺いました。その経緯を教えてください。
A. 添田:やはり女性活躍推進法の施行はきっかけになりました。というのも、当社の社員数は現在240人ほどですが、近い将来300人を超えることが見込まれており、法律に対応する必要があるからです。ただ、“女性活躍”は、法律の施行前から会社経営のキーワードの1つに掲げていました。当社の女性比率は2割程度と低く、女性社員を増やしたい、さらには女性のリーダーを増やして、女性を管理職に登用したいという思いが以前からあったんです。

そこで、2016年1月の全社会議で“女性が輝くSS(ソフトウェアサービス)”を宣言し、「女性社員が輝くためにすべきことは何か」を女性の視点で検討してもらうタスクチームを立ち上げました。須藤をリーダーに任命し、チームの命名からメンバーの人選、さらには活動内容や進め方といったところまで、運営の全てを彼女に任せることにしました。

※ 女性活躍推進法:労働者301人以上の企業に、自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析と、それらを踏まえた行動計画の策定・公表を義務づけた。2016年4月1日施行。

Q. なぜ須藤さんをリーダーに任命したのですか?
A. 添田:女性の視点で検討してもらうには、やはり女性リーダーの方が適任です。また、女性の視点で検討するとは言え、全社の取り組みにしたいという思いもありました。須藤のこれまでの仕事ぶりや須藤とのコミュニケーションの中で、女性側だけの意見に偏ることなく進めてくれる人物だと分かっていましたので、須藤が最適だと判断しました。
Q. リーダーに抜擢され、どんなお気持ちでしたか?
A. 須藤:当社社員の多くはお客様先に常駐しているため、顔を合わせる機会があまりありませんが、女性同士のランチや飲み会は定期的に開催していて、仕事や会社の話をよくしていました。また、業界的に女性が少ないので、女性のいいところをもっと活かしていけたらいいなと以前から感じていました。ですから、この機会に、女性社員の思いや考えを発信していこうと思ったのが率直な気持ちでした。

チームは「PASS推進会」と名付けました。PASSとは、「ポジティブ・アクション・オブ・SS(Positive Action of SS)」の頭文字を取ったものです。メンバーは全員女性で、中途入社、外国籍、若手、そして私の4人。様々な立場の社員から話を聞きたかったので、キャリアも年齢もバラバラな3人にお願いしました。もちろん、PASSの運営を1から全て任されたとは言え「女性を増やしたい、女性を管理職に登用したい」という目標は事前に聞いていましたので、「それに向けてどうしたらいいのか」を考えることから始めました。
Q. トップダウンではなく、ボトムアップで進められたのには理由があるのですか?
A. 田島:当社には、トップダウンで何かを進めるという慣習がなく、例えば中期経営計画を策定する際も、経営陣と社員20人ほどのチームを作り、一緒に考えながら作り込んでいくのが当たり前なんです。もちろんトップダウンで判断してもらわないといけないこともありますが、基本的にはボトムアップを大切にしていますので、今回も「会社としてこうしてほしい」ではなく、自分たちが働いている中から、何が課題なのか、何をやったらいいのかを洗い出すことから始めてもらったということです。

職場全体を巻き込み
様々な角度から意見を吸い上げる

Q. PASSではどのような活動を行ったのですか?
A. 須藤:社員が女性活躍についてどう思っているのかを知ることが先決だと考え、まずは全社アンケートを実施しました。女性活躍推進のホームページを参考にしながらアンケート項目を決め、例えば「当社では女性が活躍していると思いますか?」「女性が活躍するためには、何を見直したらいいと思いますか?」などを全社員に質問しました。厳しい意見から個人の頑張りを評価するコメントまで様々な回答がありましたが、アンケート結果を分析していくうちに、「なぜ当社には女性管理職がいないのか」「なぜ結婚後の女性が昇進しづらいのか」といった課題・問題が浮かび上がってきました。

次のステップとして、それらの課題をテーマに討論会を行いました。先ほども申し上げたとおり、当社社員の多くがお客様先に常駐していて、全社員が集まるのは月1回の全社会議くらいなんです。これまで働き方について"話す場"がなかったのですが、この討論会をきっかけに、社員の皆さんが日ごろ考えていることを聞けたのは大きな収穫でしたね。
Q. 活動を進める上で気をつけていたことは何でしょうか?
A. 須藤:女性の声だけでなく男性の意見も取り入れることです。"女性活躍"と言いつつも、会社全体の活性化につなげたいという思いもありましたし、女性だけの意見に偏ってしまってもいけません。ですから、討論会には男女・年齢・既婚独身問わず様々な社員に参加してもらい、職場全体を巻き込むことを意識していました。

しかし、管理職やリーダーの皆さんは忙しくてなかなか討論会に参加できないのが実情です。だったらこちらから各現場を訪ねて、一人ひとりに聞くしかないかなぁと思っていたところ、リーダー以上が参加する営業研修の際に、添田のはからいでPASSのための時間を取ってくれたんです。リーダーから部長クラスまで、普段は集まれない方たちに話を伺う機会を作ってもらえたことは、本当にありがたかったです。
Q. 社内にいない社員が多い中、様々な階層の社員に討論会に参加してもらうのは難しいですよね。ほかにはどんな壁にぶつかったのですか?
A. 須藤:主に育児休暇や復帰後の時短勤務、ノー残業デーなど、働き方の見直しに関わることですが、お客様先の働き方に合わせる、もしくは調整する必要があるというのが一番の難関でした。これは非常に難しい課題で、解決するにはまだまだ知恵を絞らないといけませんが、お客様と調整したり、短時間勤務が可能な現場を探したりすることで、見直しを進めていきたいです。

推進会メンバーがリーダーシップを発揮し
恒例の社員旅行を刷新

Q. PASSメンバーに任せきりなのではなく、全社員が"女性が輝くSS"実現に向けて協力している姿勢が伝わってきますね。
A. 添田:通常業務プラスαの部分にも抵抗なく取り組むのが当社の社風なんです。ワークショップやクラブ活動など、皆、何かしらの活動に参加していますし、新人歓迎会や社員旅行の幹事も、例えば「総務部が担当」というような固定にはしていません。そのためか、本来の業務以外のことにも力を入れてくれる社員がほとんどです。アンケートにしても討論会にしても、協力を惜しむ社員は1人もいませんでした。実は昨年(2017年)の社員旅行の委員長を決める際、PASSへの注目度が高まっていたこともあり、PASSのメンバーに委員長をお願いしたんです。

須藤:「女性活躍と言っても、やはり全社員の前に出てみないとわからないよね」という話をしていたタイミングで、ちょうど、社員旅行の委員長の打診がきたんです。今年は私たちがまとめてみようと、メンバーの1人が「私やるよ!」と快諾してくれました。
Q. PASSメンバーならではの工夫も加えたのですか?
A. 須藤:せっかく女性の“活躍”を目指すのなら、女性の私たちで大きく変えてみようと思いました。当社の社員旅行は忘年会も兼ねているので、バスでどこかに出かけて、飲んで帰って来る慰安旅行が恒例でした。しかし、日ごろ顔を合わせる機会の少ない社員同士が一堂に会するせっかくの機会です。何のために社員旅行をするのか、旅行で社員に感じてほしいことは何かなど、社員旅行の目的をしっかり考え、そのうえで、カレー作りを通じたチームビルディングなど、これまでにない旅行を企画しました。社員の皆さんから不満が出るかなと少し不安だったのですが、結果的に「すごい楽しかった」という声が多くてほっとしました。

添田:旅行の企画を私にプレゼンしてくれたことには驚きました。なぜ社員旅行が大切なのか、どんなコンセプトで実施するのかをきちんとまとめ、私のところに持ってきたんです。社員旅行は何度も行なっていますが、初めてのことでした。その資料が非常に素晴らしかったので、須藤と委員長の2人を経営会議に呼んで、他の役員にもプレゼンしてもらったほどなんですよ。社員に好評だったのは、当然の結果かもしれません。

「私もリーダーになりたい!」
引っ込み思案な女性社員の心境に変化

Q. 働き方について話し合う機会ができたことが大きな収穫だったと仰っていましたが、他にどのような効果を感じていますか?
A. 添田:女性が前に出て活躍している姿に刺激を受けたのか、「リーダーに上がりたい」という女性社員の声が出てくるようになりました。当社の女性リーダーはまだまだ少ないので、手を挙げてもらうことでこれからどんどん女性リーダーが増えていくのではと期待しています。一般的に、男女関係なく「昇進したくない」という若手が多いとも聞いていますので、組織活性化の観点からも、本当に良い効果だと言えるでしょう。

須藤:意見交換の場ができたことで、女性社員たちの絆がより強くなったと感じています。ただ、当社の女性社員にはまだまだ引っ込み思案なところがあると感じていますので、積極的に前に出てきてもらえたら、もっともっと刺激になるし、絆ももっと深まるのかなと思っています。積極的に前に出ていく女性の姿を見ることで、女性が入社したいと思う会社になったらうれしいですね。
Q. 最後に今後の展開をお聞かせください。
A. 添田:今はまだ、自社の女性活躍の現状分析を終え、課題をまとめた段階です。今後はそれらを行動計画に落とし込んでいかなくてはなりません。女性活躍だけの計画にするのではなく、会社全体の事業計画の中に組み込んで、事業との連動を図りながら社員に発信していきたいと考えています。
PASSのメンバー。左から2人目が須藤リーダー
PASSのメンバー。左から2人目が須藤リーダー

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