池田金属工業株式会社様 Biz CAMPUS Online 導入事例
商材の専門知識に勝る自分たちの強みを創出し、強みを伸ばして活かす組織づくりを|事例
- 設立
- :1950年
- 事業内容
- :工業用ファスナー、金属部品の開発・製造・販売
- 従業員数
- :76名(2021年4月現在)
- 本社
- :大阪府大阪市西区新町4丁目7番11号
- 企業サイト
- :http://www.ikekin.co.jp/
*新型コロナウイルス感染防止のため、十分に距離を取りインタビューを実施いたしました
- 武井宏樹 様
池田金属工業株式会社
代表取締役 社長 COO
- 石戸達也 様
池田金属工業株式会社
執行役員 第3営業部 部長
- 砂邊康之 様
池田金属工業株式会社
技術営業チーム課長
インタビューのサマリ
- ・属人化した、個人任せの我流教育からの脱却
-
サービス導入後の効果
- ・スキルの高い社員のナレッジを共有知として社内に蓄積できるようになった
- ・ビジネススキルの習得を会社のビジョンと一致させて体系化できた
- ・部門をまたいだコミュニケーションが活発になり、自社の強みを共有できるようになった
-
効果を高める工夫
- ・教育担当者が研修を受講し、社員に必要なテーマを見極める
- ・研修後に発表の場をつくり、振り返りを実施
人材育成って専門知識教育ですよね?
と思っていたリーダーたちの意識改革
- - 本日はよろしくお願いします。御社は、ねじやボルトなど金属部品の開発・製造・販売を手掛けていますが、
『ねじのおもしろ講座*1』というユニークな取り組みも実施していますね。 【砂邊】『ねじのおもしろ講座』は、顧客向けにかれこれ20年ほど続けています。ねじの技術セールスって見えにくい業態ですからね。そのニッチな技術をわかりやすくアピールしていこうということで始めた取り組みです。
【石戸】ねじを体系立てて学んだことがある人なんていないですよね。熱処理の効果、ゆるみの原因や材質強度など、今でも試行錯誤を重ねながら様々なテーマで開講しています。おかげさまで...たぶん好評です(笑)。
【武井】ちょうど石戸と砂邊の二人がこの講座の主要メンバーなのですが、50歳近いオッサンたちが講座内容をどんどんバージョンアップさせて、文字通りの"おもしろい講座"になっています。そのバイタリティはすごいなあ...と、社長としていつも感動しています。
*1ねじを使用するユーザー向けに開催している『ねじのおもしろ講座』
【武井】社員教育のプロジェクトを立ち上げたのが2019年の年明けです。当時、社内にはいくつか重要ミッションがあったのですが、その中の1つに「教育」がありました。今後、お客さまを拡大させていきたい、その実現のために何をしていくべきか...と考えた結果、社員教育が不可欠だと。まずは、社員のスキルを強化するためのアクションプランをつくるところから、このプロジェクトが始まりました。ただし、誰かが一人で考えるとどうしても視点が偏ってしまいますから、石戸と砂邊にも加わってもらい、プロジェクトチームを結成しました。
【石戸】でもね。最初は教育といっても、「ねじに関する專門知識をどう身につけていくのか?」ということばかり考えていて、「ビジネススキル」なんてことは想像もしていなかった。自分たちの次の世代がリーダーとして育っていくためには、プロとしての知識を充実させていくことに尽きる!と思い込んでいたのです。
Oおまえら、Jじぶんでやれ、Tたのむから!
それウチの会社じゃん!と反省したセミナーの名言
【武井】石戸の仕事ぶりや行動を見ていて、なんでスキルは高いのにそれが全社共通のナレッジになっていないのか...とずっと思っていたんです。これはもったいない。一人ひとりが持っているスキルやノウハウを共有知にしていけないかと考えていました。
そんなとき、ご縁がありALL DIFFERENT株式会社さんに相談しました。そこで伺った建設業界の事例がピンと来たのです。その会社ではアカデミーを開設して、ビジネススキルと業界專門知識の2軸に分けて育成を確立されていました。それが書籍にもなっていて、読んだ瞬間に「なるほど!」と。私たちはねじの知識をどう高めていくのか、そのことばかりに注力しすぎていたなぁと気づかされました。お客さまの気持ちを理解するためのスキルも大事だよねと。【砂邊】というのも当社はこれまで、営業はずっと個人のセンスと経験に頼っていたのです。我流です我流! 「イケキン(同社の略式呼称)の営業とは?」なんて明文化されたものもなかったですし、文書やメールの書き方も見よう見まねで覚えていました。先輩や上司に同行してお客さまを訪問するときも、車中で商談についての話はするものの、共有するのはその程度でした。
- - 社員教育の計画を立てていく中、当社のセミナーにお越しいただいたのですね。
【武井】そのときの講師だった藤井支社長がおっしゃった言葉は今でも明確に覚えています。よく社員の成長にはOJTが大切と言いますが、「OJTって、O:おまえら、J:じぶんでやれ、T:たのむから!になってるでしょ?」と。「ゲッ!それってまさしくウチのことじゃん!」と、青ざめました(笑)。
【石戸】それまではずっと、同行して現場を見せることが後輩への教育だと思っていました。しかしALL DIFFERENT株式会社さんの研修サービス「Biz CAMPUS Basic」を導入し、様々な研修を受けていくうちに、組織的に体系立てていくことの重要性をすごく実感しました。目からウロコのことだらけですよ。その証拠に、私は社内で一番多くの研修を受講しています。コロナ禍で、集合研修からオンライン動画研修に切り替えたこともあり、自由な時間にいくつでも受講できるようになりましたし。
- - 研修を受講して、現場で実践できたことはありましたか?
【石戸】確かファシリテーションに関する研修だったと思うのですが、打ち合わせひとつにしても、「順序」というものがあることを学びました。順序を整理し目的を明確にしていくことで、これまでだったら収集がつかなかった課題も、きちんと成果が出せるようになりましたし、答えを導き出せるようになってきました。
- - 当社のオンライン動画研修「Biz CAMPUS Online」は、150種類以上のテーマを提供しています。
社員の皆さんには、どのように受講を進めているのですか? 【砂邊】成果を急ぐのではなく、確実に実践につなげることを考えました。そのため、すぐに全員参加型の研修にするのではなく、まずは私たちプロジェクトメンバーが受講してみて、実際の現場ではどんな内容の研修が必要なのか、検証を繰り返しました。全社に向けて研修を実施するまで半年かけましたね。確実に成果を出すには慎重さも大事です。
自社らしいビジネススキルを共に考え
自社らしい育成プランを練り上げていった
- - 全社に向けた研修スタートまでに、まずはプロジェクトメンバーで試してみる、そんな工夫があったのですね。
ほかにはどんな点に気をつけたのでしょうか? 【武井】一般的なルールや汎用語句で必要なスキルやノウハウを並べるのではなく、どのようにイケキンらしいビジネススキルをつくるのかをALL DIFFERENT株式会社さんと一緒に考えました。あるべき姿、会社としてのビジョンと一致させていくことが大事だと。
そこでまずは、私たちが強みにしているものは何かを考えました。経営層とか役職とか、職種とか社歴とか...、そんなものは一切関係なく、「イケキンの社員が胸に刻んでいるものは何か?」「どんな姿勢が大切なのか?」「これまでに培ってきたものは何か?」「イケキン社員に欠かせないものって何?」と、プロジェクトメンバーでとことん話し合いました。【砂邊】強みが何かを知るために、70歳を超えたベテランにもヒアリングしたんですよ。そこでまとめた『イケキンらしい人物像』を30項目ほど具体的に表現しました。そしてALL DIFFERENT株式会社さんにも相談しながら、目指すべき人物像を言語化・分類していきました。
- - プロジェクトを進める中、ぶつかった壁もあったのではないでしょうか?
【石戸】壁というより、不安の方が大きかったですね。みんながこのプロジェクトについてきてくれるか、全社一丸となれるのかな...と。
【武井】プロジェクトを実施する前までは、研修を導入してもやりっぱなしになってしまうのではないか、効果の検証がきちんとできるかなど、いろいろな壁を想定していました。また、教育の仕組みとして発展させられるのか、うまくいっている会社とそうでない会社の違いは何なのかも知りたくて。その点は実施前から何度も何度もALL DIFFERENT株式会社さんに相談していたので、わりとクリアになっていましたね。
【砂邊】今思い返すと、研修を社内展開する際のキックオフミーティングは...、みんなの目が怖かったですねえ。「何を始めんねん!」という雰囲気が伝わってきて。正直お客さまと話している方が楽だと思いました(笑)。
【武井】でも、そのキックオフに合わせてALL DIFFERENT株式会社さんが実施してくださったミニセミナーを傍らで見て、私はみんな前向きに取り組んでくれるはずと確信したんですよ。受講しているみんなの目が楽しそうでしたから。
【石戸・砂邊】それは私も思いました!そんな実感はありましたね。
- - その後、教育体系を仕組み化するために行ったことはありますか?
【武井】研修を受講して終わりではなく、受講後に必ず振り返りを実施することを心がけました。具体的には、5~6人のグループで9班に分け、それぞれが研修で学んだことや疑問に感じたことなどを共有し合える時間を設けました。
【砂邊】また各班長には、発信力が強く議論の火付け役になってくれそうな若手を起用しました。そして班長たちには、リーダーに必要なトレーニングを実施して、組織に浸透させていくことにしたのです。
【石戸】みんな自分の意見を共有して語り合える場ができたせいか、これまでとは違うまったく新しい雰囲気が生まれたと思います。新人もベテランも全員参加で報連相の機会が増えたおかげで、かつての失敗談や成功事例を社内で共有できるようになりました。みんなが"前のめり"になってきたということですね。
- - 振り返りの徹底が、皆の意識を変えたのですね。
【武井】この前の研修でこれを学んだよね、などと共有し合うようになったのも嬉しいことですが、何よりみんながミーティングの時間にメモを取るようになったんです。これは、必要な情報をインプットする機会が増え、それを活かそうとする前向きさの表れですよね。
【砂邊】営業、商品開発、仕入、物流、総務など、部門が違うと業務も違いますが、積極的に語り合うことで、全社でイケキンの強みを共有できるようにもなりました。
- - 様々な成果が出てきましたが、今後強化していきたいことは?
【武井】ビジネスマナーや基本的なスキルが身についたら、次は「考える力」を鍛えていきたいですね。ロジカル・シンキングやタイムマネジメントについても実践できるよう、ますます人材育成に磨きをかけていきたいと思っています。
【砂邊】この機会をみんなが活かして、次世代の中堅リーダーが育ってくれることが理想です。これからは、イケキンならではの専門知識とビジネススキルの両輪で育成プランを進化させ、自社の強みをどう外に向けて発揮させていくのか、知恵を絞っていきたいですね。
ビジネススキルの習得を仕組み化
そして強みを外部に向け発揮する組織へ
担当コンサルタントより
「イケキンで働く理想の社員に!」をスローガンに、ねじマニアの皆さまが、ねじ以外の学びに貪欲になっています。コアメンバーが「Biz CAMPUS Online」の研修内容を確認し、社員に受けさせる研修を選定しています。学んだことを活かすために、すぐさま社内で発表の機会をつくる、学んだ言葉で話すなど、学びを定着させるための工夫が盛りだくさんの企業です。
ALL DIFFERENT株式会社 人材・組織開発コンサルティング本部 増田 芳恭関連サービス
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